2013年WRCの開幕戦となったラリーモンテカルロは、セバスチャン・ローブが自身の勝利記録をさらに伸ばす77勝目を獲得して幕を閉じた。
この日のステージは2本のステージをそれぞれ3回、2回使用する計5本。SS14およびSS16、サービスを挟んだナイトステージのSS17では名物のチュリニ峠を通過するという構成。山頂のクランクコーナーには天候が悪いにもかかわらず非常に多くの観客が集まった。
オープニングとなるSS14のベストを奪ったのはシトロエンDS3 WRCで出場しているブライアン・ブフィエ。2番手に入ったマッズ・オストベルグ(フォード)を29.1秒も突き放すタイムを記録。すでに上位陣はタイム差が開いているためクルージングに入っており、ローブやセバスチャン・オジエ(フォルクスワーゲン)らはリスクを負ってまでアタックはしていない。
このステージでは雪が解けた水が路面を覆う難しいコンディションだったこともあり、足下をすくわれて数台がリタイアを喫している。総合3番手を走っていたエフゲニー・ノビコフ(フォード)は、スタートから3km地点で左後輪をヒットし万事休す。また、総合5番手のヤリ‐マティ・ラトバラ(フォルクスワーゲン)はスタート近くで、総合7番手のユホ・ハンニネン(フォード)はフィニッシュ手前5kmのダウンヒルセクションでそれぞれコースアウトを喫して戦列を去ることとなってしまった。
続くSS15は総合3番手に浮上していたダニ・ソルド(シトロエン)がトップタイムを出し、ラリーは再びチュリニ峠を通るSS16へ。そのSS16ではローブが「雪に轍が刻まれていて、その通りに走らないとコースアウトしてしまう。あまり好きじゃないな」と語りながらも堂々の一番時計。ステージ2番手には4秒差でオジエがつけた。
また、このステージでは総合5番手のオストベルグが右後輪をヒットし大きく遅れ、ブフィエにかわされ総合6番手にドロップしている。
ラリーはSS16を終えた後、サービスを挟んで21:23スタートのSS17へ向かう予定だった。しかし観客が集まりすぎたため、主催者は安全を考慮して残るSS17およびSS18のキャンセルを決定。これにより、SS16終了時点での結果が最終結果となり、ローブが77度目となる勝利を獲得することとなった。
「勝つ時はいつだってうれしいけれど、やっぱりモンテカルロは別格。今年はとても滑りやすくて難しいコンディションのラリーだったからなおさらだよ」とローブ。
また、初陣となったフォルクスワーゲンでいきなり2位表彰台を獲得する活躍を見せたオジエは「これまで2位で満足したことなんてなかったけど、僕らにとって今回の2位は、勝利と同じくらいの価値があるリザルトだ。ポロR WRCで初めてのラリーでポディウムだからね。チームのみんなに感謝したい」と初陣を振り返った。
これでラリーモンテカルロの競技自体は終了。20日(日)の昼にはモナコ王宮前でのフィニッシュセレモニーが行なわれる予定となっている。
【ラリーモンテカルロ SS16後暫定総合順位】
1:S.ローブ 5:18:57.2
2:S.オジエ +1:39.9
3:D.ソルド +3:49.0
4:M.ヒルボネン +5:26.3
5:B.ブフィエ +8:13.1
6:M.オストベルグ +12:03.7