FIAヨーロッパラリー選手権(ERC)は3月24日、ポルトガル領アゾレス諸島最大の島、サンミゲル島でレグ2に設定された6SS・107.57kmを走行。前日首位につけたアレクセイ・ルキヤナク(フォード・フィエスタR5)がポジションを堅守し、開幕戦を制した。
地元ポルトガル出身でアゾレスラリーを過去10回制している強豪、リカルド・ムーラ(シュコダ・ファビアR5)は、前日の2番手から必死の追い上げを試みるが、トロンクイラの1回目の走行でプッシュし過ぎてバンクに接触して痛恨のスピン。ここからは、後方から追い上げるブルーノ・マガリエス(ファビアR5)との2位争いとなる。しかし、そのマガリエスはリヤディファレンシャルのトラブルに見舞われ30秒以上をロス。これで決着が着いた。
一方、首位のルキヤナクは、最終ループも堅実に走行。1分近くの差をつけて臨んだ最終ステージでは、手前数100mのところでドーナツターンを披露し30秒のタイムペナルティを受けるも、観客を盛り上げることを優先した。ルキヤナクは最終的に、16.4秒差で優勝を果たした。
「フィニッシュ前にドーナツターンを披露することができて、本当にうれしい。チーム、スポンサー、がんばってくれたみんなに感謝したい。僕らはクレバーになるためにベストを尽くして、それが報われた」とルキヤナク。
ERCジュニアU28は、最終2本目までマルティン・コキ(ファビアR5)が首位につけていたが、最終ステージのスタートから6km地点で左フロントタイヤがもげ、リタイアを喫した。「自分のミス。コーナーでタッチしすぎて、タイヤがもげてしまった。チーム、スポンサー、ファン、家族に申し訳ないし、自分としても悲しい」
コキがリタイアしたことで、昨年のERCジュニアU27のチャンピオンで、今季からR5マシンにステップアップしたクリス・イングラム(ファビアR5)が部門優勝を果たした。「マルティンは僕らにとって大きなプレッシャーとなっていたので、彼を心からリスペクトする。自分にとっては夢のようなR5デビューとなったが、総合ポディウムに上がることができずに悔しい。素晴らしいラリーだった。まだマシンのことを学んでいる途中だが、必死でがんばってきたので心から誇りに思う」
ERC2はファン・カルロス・アロンソ(三菱ランサーエボリューションX)、ERC3とERCジュニアU27はディアゴ・ガゴ(プジョー208 R2)がトップフィニッシュを飾った。
ERCポルトガル 最終結果
1 A.ルキヤナク(フォード・フィエスタR5) 2:33:51.7
2 R.ムーラ(シュコダ・ファビアR5) +16.4
3 B.マガリエス(シュコダ・ファビアR5) +25.7
4 C.イングラム(シュコダ・ファビアR5) +1:24.2
5 F.アーリン(シュコダ・ファビアR5) +2:33.1
6 N.ヘルシュグ(シュコダ・ファビアR5) +4:02.9