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波乱のヤンナーラリーはコペッキーが僅差で勝利

 

IRCと統合しての初シーズンを迎えた新生ERCは、開幕戦ヤンナーラリーが1月3−5日、オーストリアで開催され、シュコダワークスから参戦するチェコチャンピオンのヤン・コペッキー(シュコダ・ファビアS2000)が、波乱の末に劇的な逆転勝利を収めた。

昨年は豪雪に恵まれたヤンナーラリーだったが、年末から温暖な日が続いたことで、コース上にまったく雪がないことも懸念された。オーストリアタイトルを10回獲得している御年53の強豪、ライムンド・バウムシュラッガー(シュコダ・ファビアS2000)は夜半の降雪を期待していたが、開幕SSのコンディションはアイスパッチが混じるウェット。このラリーを知り尽くしたバウムシュラッガーは唯一、ナローのスタッドタイヤをチョイスしたが路面に合わず、大幅なタイムロスを喫するなど、早くも波乱の展開を予感させた。

初日午後のステージでは積雪も見られる中、シェイクダウンをベストタイムで飾っていたコペッキーは、今イベント初参戦のブライアン・ブフィエ(プジョー207S2000)と首位攻防を見せながら、ブフィエに20秒差の首位でレグ1を折り返す。しかし、レグ2になると強い雨が降り出し、路面のアイスと混ざって極めて難しいコンディションに。さらに残り3SSというところで、コペッキーは左フロントのパンクに見舞われる。ここで3位に後退したコペッキーだったが、10.6秒差の2位で迎えた25kmの最終SSで、首位ブフィエを11.1秒も先行する激走。わずか0.5秒差の逆転勝利を収めた。

「自分は勝てると信じ続けた。信じることを止めたら、何も果たせないからね」とコペッキー。「素晴らしいバトルを展開してくれたブライアン(・ブフィエ)に感謝したい。そして素晴らしいマシンを用意してくれたチームと、最高の仕事をしてくれたコ・ドライバーのパベル(・ドレスラー)にも」

2位はブフィエ、3位にはオーストリア選手権に焦点を絞ったバウムシュラッガーが続いた。MINIジョン・クーパーワークスS2000で参戦したチェコのバクラフ・ペッチはレグ1でステージウィンも獲得し、4位に食い込んだ。

プロダクションカップは、総合5位に入った三菱ランサーエボリューションIX R4のハラック・ベッポ。レグ1のナイトステージで、フロントガラスが曇りながら走行を続けたベッポには、コリン・マクレーフラットアウト杯も贈られた。2WDカップはオーストリアのハンス・ダンジンガー(ルノー・クリオR3)が制した。



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