WRCアルゼンチン:タナック「リクエストなしにサービスに戻るのは気が引けるね!」ポストカンファレンス – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCアルゼンチン:タナック「リクエストなしにサービスに戻るのは気が引けるね!」ポストカンファレンス

©Toyota Gazoo Racing WRC

WRCアルゼンチンのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。SS5で首位に立ってからは、ぐんぐんと後続を引き離し、2位ヌービルに40秒近くの大差をつけて難関グラベル戦を制したオィット・タナック。ラリー中はマシンに全く変更を行わなかったほど、セッティングがマッチしていたと好調ぶりを明かした。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

Hyundai Motorsport GmbH


1位:オィット・タナック=OT(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
1位:マルティン・ヤルベオヤ=MJ(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
2位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
2位:ニコラ・ジルソウル=NG(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
3位:ダニ・ソルド=DS(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
3位:カルロ・デ・バリオ=CdB(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
トミ・マキネン=TM(トヨタ・ガズーレーシングWRT代表)

Q:オット、圧巻のパフォーマンスでトヨタでの初勝利、自身3度目の勝利、おめでとう。伝統のアルゼンチン戦で勝った気分は
OT:全く気分が違うね。前回の優勝はサルディニアとドイツで、かなり間が短かった。最後までプッシュしなくてはならず、最終ステージまで自信は持てなかった。今回は全く違う。最初、SS1が終わった後はフィーリングはよくなく、全てを尽くさなくてはならないと思った。ステアリングにトラブルを抱えていたので、まずい流れだった。でも、リエゾンでトラブルを修復した。基本的には、次の2本でロス分を取り戻した。そこから、最初のループが終わってからはいつも通りの流れになり、そこからはリードを築くためにハードにプッシュしなくてはならなかった。もちろん、文句をつけることはほとんどない。マシンは本当にいい動きをしてくれた。心から自信を感じていたし、ハードにプッシュしやすかった。

Q:金曜日のミスの後、これで終わった、ポディウムのチャンスはなくなったと感じたか
OT:あの時点では、マルティンに言ったのは「何かが壊れた」。実際、何かにヒットしていたが、何にヒットしたかは分からなかった。ペースノートには記載がなかったので、2回目のループで走った時に何だったのだろうと探してみたが、何も見えなかった。だから少し困惑したが、マシンが強かったからよかったよ。この後は、全てスムースに進んだ。

Q:この週末、自身100度目のステージ勝利を含め、何本もベストタイムを叩き出した。自分のペースには満足か。全てが完璧に動き出してからのマシンのフィーリングはどうだったか
OT:ラリー中、何も変更を行わなかったラリーは、これが初めてかもしれない。シェイクダウンでは1本目の走行の後に少し修正を行ったが、その後は一切変えていない。何もリクエストなしに、サービスに戻るのは気が引けるね!

Q:この段階で選手権争いについて、どう感じているか。今回の活躍でタイトル争いでは3位に浮上し、トップとも差が詰まっている。タイトルチャンスについてどう考えているか
OT:もちろん、プッシュを続けて行く。最初からプッシュを続けることになると思っていたので、特に変わらない。もちろん、新しいチームでここに参戦するので学ばなくてはならないことも多いだろうから、少しトリッキーになるだろうとは思っていた。でも、満足の内容。状況にはあっという間に慣れたし、チームワークはとてもいい。大きな支えを受けているし、みんな僕のことを大いに後押ししてくれている。そして僕も、同じようにみんなを後押ししている。チーム内の連携は、とても順調だ。もちろん、こんなにたくさんの人が支えてくれているのは最高の気分。タイトルの可能性はあると信じたいし、今はマシンのパフォーマンスも出ているので、ハードにプッシュを続けて行く。

Q:マルティン、素晴らしい勝利だったが、落ち着いてもいたようだ。楽々とこなしているように見せていたが、そんなことはなかったはずだ。今の気分は
MJ:その通り、楽々のように見えたと思うが、最後までどのステージもプッシュしていた。パワーステージもね。でも、トミとチームのみんなにも、心から感謝したい。地元の応援もアメージングだった。今日の観客はとにかくアメージング。どれだけみんなが熱狂的だったかは、言いようがないね。

Q:迷信は信じないタイプだと思うが、ここまでの3勝、それぞれ何かあったのか
MJ:最後のステージから戻るリエゾンで、オットに、このラリーのために腕時計を新調したんだと言ったんだ。そして、サルディニアの時も、ドイツの時も新しい腕時計をしていた。だから、次のラリーでも新しい腕時計を買っちゃうかもしれないね。お高くつくジンクスだけどね。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:ティエリー、今回のアルゼンチンの内容にはハッピーか
TN:間違いなくコルシカの時よりハッピーだ。この週末はペースを取り戻せたことが、まずよかった。タイムもよかったしね。最初は、少し落ち着いて滑り出した。このラリーはタフになると分かっていたし、最初のステージでたくさんのことが起きたので、まずはOK、じゃあリズムに乗って行こう、と言えたし、それから必要に応じてプッシュし始めた。そこからは週末、ずっとプッシュしていたけどね。自分は霧でもうまく走れると思っていたのでハードにプッシュしたし、タイムもよかった。満足していいと思う。チームも大変な努力を費やしたし、マシンの動きは完璧だった。オットも言ったように、ラリー中はあまり変更は行わなかったので、マシンとも合っていたということだ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:この週末、最もタフだったことは何か。ステージへの対応か、それとも天候か
TN:分からないね。最もタフだったことは、パンクを避けることじゃないかな。どこもかしこも石だらけで、轍が深い。轍を見ればプッシュしたくなる。コーナーでも速度を上げて行けるからね。でも、タイヤがリムから外れやすいことも分かっているから、いいバランスで行くのは簡単ではなかった。今回は、バランスをつかんでいたので、トラブルもパンクも、壊れたところもなかった。一貫性を保てたし、それはアルゼンチンでは要となる部分だ。

Q:コ・ドライバーの役目はとても重要だが、視界が悪いと特に重要性が高まるのでは。霧の中で全てを正確に行わなくてはならないと、いつも以上にプレッシャーは感じていたか
NG:もちろん、霧となると本当にチャレンジングだ。極端なコンディションには慣れていないし、霧用にノートを作るのも難しい。でも、プロなので、それも自分たちの仕事。とにかく自分たち自身を信じるしかなかった。集中力のレベルを高めなくてはならないし、行くしかない。自分たちの出来栄えに誇りを持っているよ。

Q:昨年は激戦だった。今年、シーズン終盤はタイトル争いがより僅差になるど考えているか
NG:もちろん、どのマシンも強そうだし、僕らもとても一貫性がある。選手権争いは面白くなると思うし、1ポイント1ポイントが重要。集中し続けなくてはならない。

Q:ダニ、素晴らしいパフォーマンスでアルゼンチンでの3度目のポディウムを飾った。チームにとっても見事な結果だ。この週末の内容にはハッピーか
DS:この順位にはハッピーだ。オットはこの週末、別レベルの走りをしていたと思うし、自分はティエリー、クリス(ミーク)との戦いになった。この週末の間に格段に改善されたし、ここが重要。ヒュンダイから2台がポディウムに上がったし、とてもよかったよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:昨日は本当に強かった。午前中のステージはどのような感じだったか
DS:正直、霧では少しタイムをロスした。本当にドライブが難しかった。もちろん、みんな同じだ。でも、自分はあまり余裕を持てなかった。ロングステージでは、自分のペースが格段によくなった。タイヤをコントロールし、タイムもよかった。

Q:ポルトガルではヒュンダイは4台体制になるが、君は今シーズン、フル参戦ではない。このようなパフォーマンスと一貫性を出せていることは、先につながると思うか
DS:4台体制でのラリーは興味深くなりそうだね。僕らのうち2人しかポイントを獲得できず、他は重要ではない。ポルトガルではプッシュするつもりだし、誰にとっても興味深いラリーになると思う。他の顔ぶれを考えてもね。ヤリ−マティは、走行順が遅くなるしね。

Q:2人とも自信にあふれている姿を見てうれしかった。カルロス、ラリーを終えて、ハッピーか
CdB:そうだね、ハッピーだ。ご存知の通り、自分の前回のアルゼンチン参戦は、あまりいい思い出にはならなかった。5年前だ。ペースノートを読み間違えて、シトロエンが転倒した。だから、今日は全てを忘れて臨んだ。ここにいられてうれしいし、ポルトガルを楽しみにしている。

Q:トミ、チームとオィット・タナックにとって信じられないような週末になった。チームが作ったマシンが非常にコンペティティブなマシンであることを示した
TM:何年も前に、同じフィーリングを感じたことがある。今は、今後も続けるべき要素が揃ったと思う。自分がよく知っている組み合わせだ。ドライバーとマシン、高いレベルの自信、全て勝ち続けるために必要な要素だ。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:このような圧勝を飾ることは、チームにとっても大きな後押しになる。オィット・タナックと契約した時点で、世界タイトルを穫れるポテンシャルがあると感じていたと思うが、それは今年達成できるか
TM:もちろん、シーズンはまだ先が長く、様々なタイプのラリーが待っている。タイトルを獲得することがどういうことなのか、自分は知っている。チームワークが大きな力を持つが、今、それが発揮されている。しかしもちろん、ここ数戦は不運もあった。様々なコンディションもあれば、運もある。誰にも分かりはしない。どんな可能性もある。みんなが、シーズンの最後まで大いにタイトルを争ってもらいたいと思っている。それが、モータースポーツ全体にとって、最高の形だからね。

■記者席からの質問
Q:金曜日最初のステージ、スタート間隔は2分だった。運営面において、これは危険なミスだったと考えるか
OT:ステージの前にコンディションがどうなるか、把握するのは難しい。場所によっては危険なところもあったし、視界がほぼなかったところは難しかった。でも、主催者はよく対応したと思うし、2本目からは3分間隔になった。そこからは、全て順調だった。



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