ラリーポルトガル、デイ2終了後の各ドライバーからのコメント。選手権リーダーのセバスチャン・オジエがクラッシュし、激震が走ったポルトガルの金曜日。5連覇王者の週末を奪ったのは、ほんの数cmの判断ミスだったことを明かした。
[ヒュンダイ・モータースポーツ]
ヒュンダイi20クーペ WRC
■ティエリー・ヌービル/総合首位
「全体としては、今日の内容にはかなりハッピー。ステージが進む度にマシンに改良を加え、トラブルも避け切った。午後のループは、タイヤ選択が複雑になった。自分たちはソフト6本を選んだ。後から思えばベストの選択ではなかったが、クレバーだったし結果的にはかなりいい形になった。信じられないほどラフなコンディションだったが、余裕が持てたしハードにプッシュすることもできた。連続4本でステージウインを取ったし、市街地ステージでまずまずのリードも築けた。それでもラリーはまだ序盤。今日、周囲にトラブルが起きているように、安心はできない」
■ダニ・ソルド/総合3位
「本当にタフな一日だったので、トップ3につけてうれしい。まだ先は長いが、既にたくさんのアクシデントが発生している。自分たちは午前のループは慎重に始めたが、ポンテ・デ・リマの1回目でベストタイムをマークして自信が高まった。午後はソフトを選んだが、結果的には理想的なチョイスではなかった。ステージは予想よりもラフで、摩耗が激しかったのでプッシュできなかった。それなりに状況に対応し、市街地ステージではいい走りをして一日をポジティブにまとめられた。土曜日はもっとスムースになっていてほしいね!」
■アンドレアス・ミケルセン/SS7でリタイア
「いいことも、悪いこともあった一日だった。午前はまずまずの出来で、ステージの度に余裕が出てきた。マシンのフィーリングはよく、午後のループにも期待が持てた。SS6の中盤でパワーステアリングが効かなくなり、ステージの最後まで格闘した。チームからアドバイスを受けながらトラブルを解決しようとしたが、対策が見つからなかった。それでもSS7はスタートできたが、フィニッシュに向かってエンジンのフィーリングがおかしくなり、フロントガラスにオイルが出ていることに気づいたので、マシンを停めるしかなかった。チームは今、土曜日にラリー2でスタートができるか、調査中。順調だったしマシンも完璧だったので、本当に残念だ」
■ヘイデン・パッドン/SS7でリタイア
「順調だったし、力量の範囲でドライブしていた。計画通りだった。誰にとっても難しい一日になったし、正しいタイヤ選択を行うのも難しかったが、すぐにペースを取り戻せてうれしかった。SS7のスタート付近、コーナーのイン側に大きな石が隠れていた。それを避けるために少しステアリングを切らなくてはならなかったが、速度が高過ぎていたので、膨らんでしまった。問題は、コーナーの出口に大きな排水溝があったこと。そこに突っ込んでしまった。いい結果がつかめそうだったのに悔しいが、3年連続で、このステージにやられてしまった」
*土曜日は医師のアドバイスによりスタート見送り、日曜日の再スタートを検討中
[Mスポーツ・フォードWRT]
フォード・フィエスタWRC
■エルフィン・エバンス/総合2位
「一日を終えてこの順位につけられてよかった。ドライビングは全体的によかったが、まだ改善できると思うので、明日取り組んでいく。この流れを維持して、できる限りいいリザルトを目指したい」
■テーム・スニネン/総合4位
「自分のペースにはハッピー。特に2回目のループは、タイムもよかった。SS4は慎重過ぎてかなりタイムをロスしたので、それが残念。このことで、常に全開で行かなくてはならないのだと教えられた。明日は、それを実践していきたい」
■セバスチャン・オジエ/SS5でデイリタイア
「右コーナーで、ほんの数cm、回り込み過ぎた。バンクがあり、少し接触しても大丈夫だろうと思ったが、残念ながらそうではなく、小さな木の根か何かがあった。サスペンションへの衝撃は小さくて一瞬だったが、これで破損してしまった。次のコーナーではブレーキをかけても何も起こらず、曲がることができなくて林に向かって直進してしまった。自分のミスだ。バンクに接触するべきではなかった。わずか数cmが、この週末を台無しにしてしまった」
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
トヨタ・ヤリスWRC
■エサペッカ・ラッピ/総合5位
「午前中は自信をつかむのに苦戦して、自分のベストではなかった。マシン自体はよかったが、横方向のグリップが十分に得られている感触がなく、思い通りに攻めることができなかった。午後の路面コンディションは、これまでのキャリアの中でも一番荒れていて、岩がたくさん転がっていた。でも、日中サービスでマシンに行った変更の効果が出た。その後ダンパーに小さなトラブルが出て、それと対処しながら走りきらなくてはならなかったが、タイムは思ったよりも悪くなかった。明日は、順位をさらに上げたい」
■ヤリ‐マティ・ラトバラ/SS3でデイリタイア
「最初のSSは少し慎重になり過ぎたので、次はもっとプッシュを始めた。スタートから5km辺りの左‐右の複合コーナーで、ライン上に石があった。ペースノートにも書いてあった。意図的にその石を乗り越えようとしたが、すぐに右フロントサスペンションが破損したので、止まらなくてはならなかった。チームは一生懸命マシンを修復してくれたので、明日も走れそうだ。絶対に走り続ける。マシンにいいフィーリングを感じているし、ドライビングが楽しいので、今はとにかく走りたい」
■オィット・タナック/SS3でラリーリタイア
「午前のことは、本当に不運だった。最初のステージを走りだしてすぐ、石だらけの場所を通過した。ひとつやふたつではなく、4つか5つくらいはあった。それを避けることができず、ラジエターにダメージを負ってしまった。その後すぐに、エンジンのトラブルが出て止まらなくてはならず、その場で直すことはできなかった。いい順位でこのラリーを迎え、前戦と同じようにマシンにも本当にいいフィーリングを感じていた。選手権争いにとっては打撃だが、本当に最後まで戦いは終わらない。戦い続ける。サルディニアでは、激戦を目指す。自分たちにパフォーマンスがあることは分かっている」
[シトロエン・トタル・アブダビWRT]
シトロエンC3 WRC
■マッズ・オストベルグ/総合6位
「午前中はセットアップにミスをして浮き沈みが激しかったが、午後は本当に楽しかった。サービスでチームが変更を行ってくれて、マシンはほぼ完璧。パッドンがアクシデントに遇ったところでストップしたので、今日の最長ステージを走れなかったが、その時はそのことは重要じゃなかった。コンディションはアクロポリスラリーのよう。本当にラフだったが、一日を走り切ったので、残りはさらにいい走りがしたい」
■クリス・ミーク/総合7位
「難しい一日だった。スタートは順調でマシンのフィーリングもよく、首位に立っていた。でも午後はパンクが2回あり、状況は複雑になった。リエゾンをホイールリムだけで走ってはいけないというルールに違反しないよう、パンクした2本でなんとかしなくてはならなかった。明日は走行順が2番手になってしまうが、とにかく全力を尽くす」
■クレイグ・ブリーン/総合8位
「もちろん、フラストレーションのたまる一日だ。午後は、自分たちの本領を取り戻した。パンクがなければ、今日は首位で終えられる可能性もあった。明日は走行順が先頭になるので、タイムロスを最小限に抑えたい」