TOYOTA GAZOO Racing WRTのチーフエンジニア、トム・ファウラーは、ラリー・ポルトガル序盤で2台のヤリスWRCが早々にリタイア(ヤリ-マティ・ラトバラは土曜日に再走)したことを受け、最近のパフォーマンスの向上が、ヤリスのラリーカーとしての強靭性を損ねているのではという憶測を否定した。
「序盤に2台をいきなり失ったのは、すごくアンラッキーだったとしか言いようがない」とファウラーは語る。
「でも、その後に他のクルマもトラブルを多発していることは、このラリーがいかに厳しいコンディションであるかを表している。ラリー前は、ここがこれほどラフになるなんて、誰も思っていなかったと思う。オット(タナック)は岩の上を通った衝撃でガードに穴が空いて、ラジエターを痛めて水漏れを起こしてしまった。あまりに素早く水がなくなってしまったので、水圧が上がってアラームシステムが作動してトラブルに気づいた時は、もうエンジンにダメージが及んでしまっていた。ヤリ-マティ(ラトバラ)はアルゼンチンの時と似たようなシチュエーションだね」
「ヤリスのスピードが上がったこととトラブルが起きたことは、関係がないと考えている。アルゼンチンでは、ラフなコンディションでも、オットは信頼性の問題を全く感じさせずにラリーをコントロールできていた。最初のステージではコースオフもしているけど、他のマシンがトラブルに見舞われる中、ヤリスWRCは大丈夫だったんだ」
ポルトガルでのトラブルに関しては、SS3で前戦アルゼンチン同様にサスペンションを痛めてデイリタイアとなった直後のラトバラが、「2戦連続だからね。僕がアグレッシブにいきすぎたのか、単なる不運だったのか、それとも去年のヒュンダイみたいに、ヤリスのパフォーマンスが上がったことで何かが起きているのか、議論してみる必要がある」と語っていた。