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全日本ラリー モントレー:初日は新井vs鎌田が接戦

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2018年全日本ラリー選手権第5戦「MONTRE 2018」は、6月9日(土曜日)の9SSを終え、JN6クラスの新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が首位に立ち、鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)が2.1秒差でこれを追う接戦を繰り広げている。

2012年の復活以来ターマックラリーとして開催されてきたモントレーだが、今年はグラベルラリーとしての開催となる。とは言え、一部のSSは昨年と同じターマックコースが使われており、グラベルセッティングでタイムを削る技術とタイヤマネージメントの手腕が問われる難しいラリーとなることが予想された。また例年、急な雨に見舞われることも多く、天候や路面の変化に対応できなければ上位入賞は狙えない。

9日の朝8時。好天のもと、多くのギャラリーが集まったパルコールつま恋リゾートでのセレモニアルスタートは盛大に行われた。この日は全部で9SSを走行するが、SS7/9に設定されたラリー最長距離(10.779km)のMinenoharaは全線がターマックとなっており、このラリーの勝負どころと目されている。

JN6クラスはSS1でベストタイムをマークした鎌田がラリーを引っ張るかたちでスタート。SS4まで新井を押さえトップに立っていた鎌田だが、SS5でベストタイムをマークした新井に逆転されてしまう。新井はSS8、SS9と連続ベストタイムをマークするも、鎌田も食らいつき、最終的に2.1秒という僅差で競技初日を終えている。3番手は14.6秒差で奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)、4番手に15.3秒差で勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)、5番手に福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューションⅩ)、6番手に柳澤宏至/加勢直毅(スバルWRX STI)というオーダーとなっている。首位の新井は、「最後まで0.1秒差の戦いで疲れました(笑)。緊張感もありましたね。最後のSSは霧の中を走ることになったので、かなりリスクがありましたが、ベストタイムを獲れたので良かったです。明日もまだ長いので、頑張ります」とコメント。地元モントレーで過去3連勝を果たしており、連勝記録を伸ばせるか期待がかかる。

3台が並ぶ接戦となったJN5クラス。トップには小濱勇希/馬場雄一(シトロエンDS3)、2番手に横嶋良/木村裕介(プジョー208)、3番手に眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツGRMN)という順位となっている。SS6までを終えた段階ではクラストップの眞貝と2番手の横嶋が0.8秒差、眞貝と3番手小濱が1.3秒差という接戦に。しかし全線ターマックのSS7 Minenoharaでベストタイムをマークした小濱が一気にクラス首位にジャンプアップ。小濱はその後も首位を守り、SS9までを終えた段階で2番手横嶋に10.2秒、3番手眞貝に15.2秒とリードを広げることに成功した。小濱は「ずっと気の抜けない緊張感のある戦いが続きました。舗装のSSでは1回目で離せたんですが、2回目は霧が出てペースを押さえすぎました。明日は舗装で稼げないので、グラベルでの勝負になりますね」とコメントしている。

ホンダ・シビック・タイプRユーロの上原淳/漆戸あゆみがリードを広げる展開となったJN4クラスも10秒以内に3台が連なる接戦。2番手には関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ)、3番手にはFD2型のホンダ・シビック・タイプRを駆る香川秀樹/松浦俊朗という順位となっている。SS8終了時点ではクラストップに香川、0.6秒差で関根、2.8秒差で上原というこちらも接戦となっていたが、霧の出たSS9で上原が一気にトップに。関根に7.6秒差、3番手香川に9.2秒差とリードを得て競技最終日に挑む。「マシンは問題ありません。SS9は霧でなにも見えないなかでいいタイムが出せました。明日はグラベルがメインですし、頑張って勝ちたいです」と、意気込みを語っている。

JN3クラスはヴィッツGR SPORT“GR”の天野智之/井上裕紀子が大幅リード。9SSのうち8SSでベストタイムを獲得する快走を見せて、クラス2番手の渡部哲成/橋本美咲(マツダ・デミオ)に1分51秒1という差をつけている。3番手にはCVTのトヨタ・ヴィッツで参戦する大倉聡/豊田耕司。体調不良ながらも首位を走る天野は「このラリーは標高も高いので、小排気量車には厳しいですね。最終のSS9は気温が下がって、エンジンも冷えてペースが上がったところで、霧が出てきてしまいました。タイムも楽しみだったんですが、まったく走れなかったです。明日はポジションをしっかりキープします」と貫録のコメントを残している。

スバルBRZとトヨタ86の接戦となっているJN2クラスは、BRZの加納武彦/横手聡志がクラス2番手の鎌野賢志/蔭山恵(トヨタ86)に5.0秒差をつけるトップ。3番手の明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)は17.6秒差から上位を狙う展開となっている。首位の加納は「初日トップは10年ぶりくらいです。初優勝を目指して頑張りたいんですが、後続と差がないのでまったく気が抜けません」とコメント。競技2日目の接戦に注目が集まる。

JN1クラスは今シーズン初参戦となる須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)が大きくリード。クラス2番手には内藤学武/小藤桂一(スズキ・スイフトスポーツ)、3番手に伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)というオーダー。須藤と内藤の差は34.6秒、須藤と伊藤の差は45.5秒差となっている。首位の須藤は「最後のSS9は霧が出ていたんですが、勝敗が決まる可能性があるので、頑張りました。タイム差がありますが、このままの調子で行きたいと思っています」と、日曜日に向けてコメントしている。

競技最終日となる10日(日)はSS10〜SS17の計8SS、SS距離39.358.kmで争われる。

モントレー2018 全日本ラリー選手権 SS9終了時点結果
1. 新井敏弘/田中直哉 スバルWRX STI 39:13.6
2. 鎌田卓麻/市野諮 スバルWRX STI +2.1
3. 奴田原文雄/佐藤忠宜 三菱ランサーエボリューションX +14.6
4. 勝田範彦/石田裕一 スバルWRX STI +15.3
5. 福永修/齊田美早子 三菱ランサーエボリューションX +22.1
6. 柳澤宏至/加勢直毅 スバルWRX STI +32.7



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