シーズン後半戦を迎えるWRC。ラリーフィンランドにシトロエン勢はクレイグ・ブリーン、マッズ・オストベルグ、ハリ・アル‐カシミ、3台のC3 WRCをエントリーさせる。
シーズン屈指の高速グラベル戦では、マシンと自身に絶対の自信を持って臨めるだけの準備が欠かせない。伝統のフィンランド戦で過去4回(2008年、2011年、2012年、2016年)の勝利をマークしているシトロエン・トタル・アブダビWRTは、この独特なイベントに合わせたセッティング能力を有していることを、これまでの戦績が示している。
今回は、フロントアクスルに新たなジオメトリーを投入。ブリーンがフィンランドのトレーニングとしてラリーエストニアに参戦し、マシンバランスのファインチューニングを行った。
「ラリーエストニアでは、最高の準備ができた。いくつか確認できたことがあったし、新しいフロントジオメトリーを投入したC3 WRCのバランスがさらによくなったことも分かった」と語るブリーンは、2016年のフィンランドで3位のポディウムに上がっている。
「フィンランドは経験の多いイベントなので、とても自信を感じている。今年はステージが変更されてはいるが、ここでは経験が何といっても重要だ」
一方、北欧ノルウェー出身のオストベルグにとっても、フィンランドはお気に入りのイベントだ。
「シーズンの中でも、本当に好きなイベントなんだ。レッキではいいペースノートを作らなくてはならないが、その後は全開あるのみだよ!」と意欲を見せるオストベルグ。
「タイヤの減りや路面が荒れることを心配する必要はない。フィンランドには、いい思い出がたくさんある。特に2015年、シトロエンでポディウムに上がったことは忘れられない。2日間のテストでの感触をうまく活かしていい滑り出しを決め、ポディウムを狙いたいね」
アル‐カシミも、フィンランドには忘れられない思い出があるようだ。
「フィンランドは、2007年に初めてワークスチームから参戦した特別なイベント。ステージでのフィーリング、高いスピード、永遠に続くクレスト、独特なイベントだ」とアル‐カシミ。
「だからこそ、難しいラリーでもある。アルゼンチン以来の参戦なので、まずは流れに乗るところから始めなくてはならない。それから、ミスのないようにしながら、徐々にペースを上げていく」