IRC第9戦、バルムチェコラリーズリン(ターマック)は9月1日、チェコの産業都市、ズリンを拠点にデイ1の競技を終え、2010年王者のユホ・ハンニネン(シュコダファビアS2000)が首位に立った。2位は11.4秒差で地元チェコ出身のヤン・コペッキー、3位はさらに18.0秒差でアンドレアス・ミケルセンが続き、今回もシュコダファビアS2000勢が上位を占めている。
ラリーは8月31日、ズリンで行われた9.36kmのスーパーSSで開幕。本格的な競技が始まる翌日はセミウェット路面で迎えた。コンディション悪化が予想され、ほとんどのドライバーがインターミディエイトをチョイスする中、スリックで賭けに出たハンニネンがこの日最初のSSでベストタイムを叩きだして首位に浮上する。
しかし、セカンドループに入ると雨が降り出し、ハンニネンはスローダウン。代わってミケルセンが首位に立つが、このループ最後のSS(SS7)で、レッキの時に見えていたマーカーポールがなく、ペースノートがうまく活用できないと語り、21秒をロスする。
「すごく難しいステージで、ペースノートに自信がなかった」とミケルセン。「最後のスリッパリーな部分で、舗装がてかっていて、速さが出せなかった。もっとプッシュが必要だったのかもしれないけど、コースオフするリスクが大きかった。順位は下がったけど、まだ先は長いからね」とミケルセン。
ミケルセンの後退で首位に再浮上したハンニネンは、そのポジションを維持してこの日を終えた。
「アイスの上をスリックでドライビングしているような感じだった。どうやれば道の上に留まれるのか分からなかったよ。幸い、ラリーをリードしているしマシンの調子もいい。まだ何が起こるか分からないけどね」
この日を2位で終えたコペッキーは、併催のチェコ選手権での2連覇を確定させた。
「僕のターゲットはチェコタイトルだったけど、これで総合優勝を目指してのバトルについてチームを話ができるよ」
プロダクションカップでは、序盤、ヤルコ・ニッカラ(スバルWRX STI R4)が激走を見せたが、SS5でクラッシュアウト。今季2勝を収めてシリーズ首位に立っているアンドレアス・エイグナー(同)が首位で折り返した。新井敏弘(同)は、2分1秒差の2位につけている。2WDカップは、ロベルト・コンサニ(ルノーメガーヌRS)がトップ。