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【Martin’s Eye】注目の2019年WRCカレンダー、各チームの印象は?

©RALLY PLUS / Hiroyuki Takii

大御所WRCメディア、マーティン・ホームズが、長年の経験に基づく独自の視点で切り込むMartin’s Eye。10月に発表が予定されている2019年WRCカレンダー、日本ラウンドの復帰やチリの参入の行方に注目が集まっているなか、イベント数の今後についてチーム陣営はどのように感じているのか、話を聞いた。


2019年WRCカレンダーの発表が1ヶ月後に迫る中、関係者のプランが動き出している。WRCプロモーターがラリー界の資金を支えるために裕福な国での開催を模索している一方で、ファンは、WRC伝統のコンセプトが犠牲となって、富裕層に売られてしまうのではという危機を感じている。ラリーに参加するために膨大な投資を行っているチームは、どの方向性を選ぶべきと感じているのだろうか。

まずはMスポーツに、現在の全13戦という選手権構成がさらに膨れ上がる可能性を、どのように見ているのかを尋ねた。
「現在のコストは既に高過ぎるので、14戦以上にはなって欲しくない。そして、現在のテスト規制がそのまま残るのであれば、体力的にも時間の余裕がなく、イベントが増えることで各戦の会期が短縮されることも望まない。現在のラリーウィークの時間を合理的に使うことに専念するべきだと考える」

では、現在の伝統戦はシリーズから外されるべきだろうか。
Mスポーツ「長年開催されてきたイベントを犠牲にはしたくないが、もしそうしたイベントが新しいフォーマットやアイデアを提案することなく惰性で続けるのであれば、他のイベントにチャンスを与えなくてはならない。2019年に新しいイベントが2つ増えるのであれば、2年間で新規イベントが3戦ということになり、これはいいステップだ」
ヒュンダイ「現在のイベントは、WRCの基準に沿って運営ができないのであれば、犠牲になるべき」
シトロエン「新しいイベントに参入の余地を与えるために、これまで確立されてきたラリーを犠牲にするべきとは考えない。また、イベントを増やすために各戦を短縮することも望んでいない。各ラリーは、レッキやシェイクダウンを短くすることはできるが、3デイのラリーを短くしてはいけない。カレンダーは、制約と現行の状態とのバランスを取らなくてはならない」

WRC復帰が見込まれている日本戦が、初のフルターマックのヨーロッパ外イベントとなることについて、チーム陣の見通しはどうなのか。
Mスポーツ「日本で参戦することは、Mスポーツとしては商業的な利益はなく必要性はないが、もちろん日本での開催が重要なマニュファクチャラーもいるし、チームが持つ関心はどれも保ち続けなくてはならない。どんな新規イベントも、長く開催を続けることで我々の利益になる。もちろん、遠征イベントにターマックのパーツを持ち込むことでコストは増えることになるが、まず参戦してみて、そのことで何を得ることができるのか、何を選手権にもたらしてくれるのか、それを見ないことには、これ以上言えることはない」
ヒュンダイ「日本で販売をしていないので商業的な利益はないが、もちろんWRCでのプロモーションは、世界規模での自動車販売の助けになる。日本で開催すれば、WRCの新しい側面といういいイメージが生まれることになることもあるだろうし、アジアでWRCが開催されるのはいいことだ」
シトロエン「WRCにいいイメージが生まれることは、どのマニュファクチャラーにとってもいいことだ。日本は自動車大国だし、シトロエンは日本でも販売している。どのチームも、予定されているラリーの経験がないが、新しいラリーに挑むのはいつでもエキサイティングな挑戦だ。公式な発表が行われ次第(もし開催されることになれば)、このラリーで使うSSを視察したい」
(Martin Holmes)



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