WRCラリートルコは9月14日、デイ2に設定された3SSを2ループする144.84kmのステージを走行し、ヒュンダイのティエリー・ヌービルが首位に立った。0.3秒差の2番手にはMスポーツ・フォードのセバスチャン・オジエがつけ、ダスティで石が散乱する過酷な一日を終えて、ドライバーズ選手権を争うふたりが真っ向対決を演じている。
しかし、ヌービルとオジエの走行順は1番手と2番手で、砂利掃きの重荷は想像以上だ。深い砂とグラベルで覆われた道では、後続にクリーンでよりグリップするラインを残すことになる。そんな走行順を「災難」と表現したヌービルだったが、一日を通してトップ6圏内のタイムをキープ。この日は2本のステージウインも獲得した。
ヌービルは、終盤になってタイヤの激しい摩耗によりタイムを大きくロスしたチームメイトのアンドレアス・ミケルセンに代わって首位に立ち、この日を終えた。最終ステージでは、コーナーでオーバーシュートも喫したが、オジエとの差をかろうじて残している。
「素晴らしい首位争いに絡んでいる。この新しいイベントの滑り出しとして、最高の形だよ」とヌービル。
「コンディションは、本当にタフだった。今季、どのラリーとも全く違うチャレンジだ」
この日は、いきなりイベント最長ステージ、チェテベリから始まったが、このステージのダストにはオジエも苦戦。しかし、ミスで出遅れた前日7番手から、午後のリピートステージでは選手権随一のタフステージと称されたSSでベストもマークして2番手に浮上した。
ミケルセンは、オジエに2.3秒遅れの3番手。前日、マルマリスの市街地で行われた開幕ステージで首位に立ち、その後、一時後退したものの首位を奪回。しかし、気温30度を超える中、摩耗の激しいラフな路面にタイヤが悲鳴を上げた。
ヤリ‐マティ・ラトバラはラフなセクションでグリップをつかむのに苦戦したが、この日は首位に16.3秒差の4番手でまとめている。チームメイトのオィット・タナックもトラクション不足を訴えていたが、この日最後の2本で9番手から5番手まで順位を上げてきている。その後ろには3.2秒差でヘイデン・パッドン、エサペッカ・ラッピが続いている。
クレイグ・ブリーンは午前中、2SSに渡ってラリーをリードしたが、パンクにより8番手に後退。テーム・スニネン、シュコダを駆るヘニング・ソルベルグがトップ10に食い込んでいる。
エルフィン・エバンスとマッズ・オストベルグは、この日最後から2本目のステージでサスペンション破損によりリタイア。エバンスはそれまでにもディファレンシャルからのオイル漏れでタイムをロス。オストベルグは午前中は3番手につけていたが好調を阻まれた。
土曜日は、日中サービスを挟んで同じく3SSを2ループする130.62kmが設定されている。この日のステージは金曜日よりも格段にスムースで、マルマリス西部の景観豊かな海岸沿いも走る。
WRCトルコ SS7後暫定結果
1. ティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルスール ヒュンダイi20クーペWRC 1:52:28.2
2. セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタWRC +0.3
3. アンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル ヒュンダイi20クーペWRC +2.6
4. ヤリ‐マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ トヨタ・ヤリスWRC +16.3
5. オィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ トヨタ・ヤリスWRC +31.9
6. ヘイデン・パッドン/セブ・マーシャル ヒュンダイi20クーペWRC +35.1
7. エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム トヨタ・ヤリスWRC +36.8
8. クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン シトロエンC3 WRC +50.1
9. テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ フォード・フィエスタWRC +1:02.9
10. ヘニング・ソルベルグ/イルカ・ミノア シュコダ・ファビアR5 +6:52.0