WRCラリートルコは9月16日、競技最終日となるデイ4に設定された4SS・34.98kmの走行が行われ、前日首位に浮上したオィット・タナックがその座を守りきって優勝。ラリーフィンランドから3連続となる勝利で、今季4勝目を飾った。
今回のタナックは、自分にライバルに張り合うだけの速さがないことにすぐに気がつき、マルマリス近郊のロッキーなグラベルステージで慎重なペースに徹していた。過酷なコンディションにライバルたちが次々と脱落するなか、金曜日の9番手から順位を上げ始め、チームメイトのヤリ‐マティ・ラトバラに22.3秒差をつけて優勝。そのラトバラも2位に入り、1−2フィニッシュを達成した。この結果、TOYOTA GAZOO Racing WRTは、マニュファクチャラーズ選手権でもついに首位に浮上した。
タナックの3連勝は、2016年に世界チャンピオンのセバスチャン・オジエが4連勝を果たして以来の、WRCでの連勝記録だ。
「本当に難しかった。金曜日は、トップ5か6でフィニッシュできればハッピーだと考えていた。スタートしてからは、最速のドライバーが勝つのではなく、最も賢明な者が勝つラリーとなった。僕らは、ラリーを通してストップすることもなかった。これで選手権争いは面白くなってきたね」とタナック。
タイトルを争うティエリー・ヌービルとオジエが相次いでリタイアした土曜日は、ここ何年もの間でも稀に見るドラマティックな展開だった。これで最終日に余裕ができたタナックは、ポディウムでトルコの大統領からトロフィーを受け取った。また、ドライバーズ選手権では、トップのヌービルから13ポイント差の2位に浮上。そのヌービルは、パワーステージでベストタイムを叩き出す激走を見せて、ボーナスポイント5を獲得。これが精いっぱいの反撃となった。ドライバーズ戦選手権でタナックに続く3位となったオジエは、10ポイント差で残り3戦を迎える。
ラトバラにとって2位は今季の自己ベスト。ヘイデン・パッドンも、今季自己ベストの3位でポディウムに上がっている。Mスポーツ・フォード勢は、若手のテーム・スニネンが踏ん張りを見せて4位に食い込んだが、首位からは4分以上の遅れとなった。序盤首位に立っていたヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンは、前日の右ドライブシャフトの破損から復帰し、5位でのフィニッシュを果たした。
シュコダ・ファビアR5で奮闘したヘニング・ソルベルグが6位、WRC2部門トップでフィニッシュしたヤン・コペッキーが続いた。なお、Mスポーツ・フォードは、エルフィン・エバンスにタイムコントロールへ早着してペナルティを受けることで順位を下げ、オジエの順位を上げるように指示を出している。その結果、オジエはポイント圏内の10位でフィニッシュを果たした。
次戦のWRC第11戦は、10月4‐7日の日程で英国ディーサイドを拠点としてウェールズラリーGBが開催される。
WRCトルコ 最終結果
1. オィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ トヨタ・ヤリスWRC 3:59:24.5
2. ヤリ‐マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ トヨタ・ヤリスWRC +22.3
3. ヘイデン・パッドン/セブ・マーシャル ヒュンダイi20クーペWRC +1:46.3
4. テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ フォード・フィエスタWRC +4:10.9
5. アンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル ヒュンダイi20クーペWRC +7:11.7
6. ヘニング・ソルベルグ/イルカ・ミノア シュコダ・ファビアR5 +13:40.6
7. ヤン・コペッキー/パベル・ドレスラー シュコダ・ファビアR5 +18:25.2
8. シモーネ・テンペスティーニ/セルジュ・イツ シトロエンC3 R5 +19:37.1
9. クリス・イングラム/ロス・ウイトック シュコダ・ファビアR5 +20:21.3
10. セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタWRC +20:51.2
—
12. エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット フォード・フィエスタWRC +22:09.0
16.ティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルスール ヒュンダイi20クーペWRC +38:46.5