8月2日(木)のラリーフィンランド競技初日はゆったりとした雰囲気のなかスタートした。この日はサービスパークが置かれるユバスキラからヘルシンキ方面に南下。180km以上も離れたラーティの周辺で3本のSSを行なう。ラーティ周辺のSSは首都ヘルシンキからも近いため多くの観客が集まる。
ラーティ南部でのSS1は17時23分開始と遅いスタートだ。ユバスキラでは前日の予選で大雨が降り路面がウエットとなったが、ラーティ周辺は日中晴れ、コースは全体的にほぼドライ。路面はルーズグラベルが浮いて滑りやすく、早い出走順の選手には厳しい条件である。
全長13.68kmのSS1でトップタイムは、10番手スタートのセバスチャン・ローブだった。2位には1.6秒差でペター・ソルベルグが続き、それをフィンランド初出場のティエリー・ヌービルが追う。ヌービルは「走り自体はあまり良くなかったので自分のタイムに驚いた」と、戸惑いながらも笑顔を見せた。
続くSS2はラーティ中心部のスタジアムでのスーパーSS。大勢の観客が見守るなかソルベルグがベストタイムを刻み、首位ローブとの差を1.5秒とわずかながら詰めた。ヌービルはエンジンがセーフモードに入るトラブルで遅れ総合4位に後退、代わってヤリ‐マティ・ラトバラが3位に浮上した。
初日最後のステージとなるSS3は、午後8時50分スタート。しかし日はまだ高くまるで昼間のよう。ローブは全開アタックを敢行し、2番手タイムのマッズ・オストベルグに3.2秒という大差をつける堂々のベストタイムを刻んだ。
2位につけていたソルベルグは「コースはかなりトリッキーだった。トラクションが感じられず自信を持てなかった」と、ベストのローブから7.7秒も遅いタイムで総合6位に沈没。トップとの差は9.2秒に広がってしまった。総合2位には7.3秒差でヒルボネンとラトバラが並び、オストベルグが4位に浮上。ヌービルは5位と、ひとつ順位を落とした。
「この調子が明日以降も続くなら優勝を狙えるね。しかし、本当の勝負は明日からだ。ミッコとヤリ‐マティは本気で攻めてくるだろうから」と、ローブ。ラリーフィンランド2連覇に向けて順調なスタートをきった。