APRC第4戦マレーシアラリーは、リタイアが続出し目まぐるしく順位が変わる波乱の展開の中、プロトンサトリアネオS2000を駆るアリスター・マクレーが、プロトンの母国で今季初勝利をマーク。炭山裕矢(三菱ランサーエボリューションX)が総合2位に入った。
ラリーは7月13−15日、ジョホールバルを拠点に開催。本格的な競技初日となった土曜日は大雨に見舞われ路面が悪化し、2WD車両が上りきれずキャンセルになるステージも出る波乱となった。序盤首位につけたのは、シリーズリーダーのクリス・アトキンソン(シュコダファビアS2000)だったが、この日2本目のSSで、ウォーターパイプが破損し冷却水が吹き出すトラブルが発生。ステージ上で修復を試みたが、22分と大きく遅れ総合10位にまで順位を落とす。代わって首位に立ったのはP-G・アンダーソン(プロトンサトリアネオS2000)。2位につけたガウラブ・ギル(シュコダファビアS2000)に1分22秒の大差をつけて初日を折り返した。
しかし、2日目になると最初のSSでギルがラジエターに草が詰まってオーバーヒートするアクシデント。アンダーソンにも電気系トラブルが発生し、上位ふたりが一気にリタイアに追い込まれる。これで首位に立ったマクレーは、プロトンの母国で待望の今季初勝利をマーク。総合2位には、4度目のマレーシア参戦で初めて全ステージを走り切った炭山が食い込んだ。アトキンソンは、怒濤の追い上げで総合3位まで挽回。炭山がアジアカップのみのエントリーであるためAPRC順位では2位に入ったアトキンソンには、計算上では次戦北海道でのタイトル確定の可能性も出てきた。
一方、ジュニアカップは初代王者の番場彬(プロトンサトリアネオ=グループN)が今季初勝利。シリーズリーダーのマイケル・ヤング(同)がSS2でコースオフ、リタイアを喫したため、カップ最終戦の北海道でタイトルをかけての一騎打ちに挑む。