WRC第12戦スペインはすべての競技を終えて、シトロエンのセバスチャン・ローブがスポット参戦ながら久々の優勝を飾った。2位にはMスポーツ・フォードのセバスチャン・オジエ、3位はMスポーツ・フォードのエルフィン・エバンスとなった。
この日行われたのはSS15〜SS18の4SS、SS距離は合計60.8km。上位6台が16秒前後に固まる接戦となり、勝負の行方に注目が集まった。
オープニングのSS15、ついに9連覇王者が目を醒ます。ローブはベストタイムをマークし、総合3番手からトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラとオジエを追い抜き、一気に首位に浮上してみせた。SS2番手のダニ・ソルドに6.1秒差という圧巻のベストタイムは全盛期の切れ味を思い出させる。これで総合2番手ラトバラとは2.6秒差。ローブは続くSS16でも一番時計を刻み、総合2番手のラトバラに7.1秒というリードを築いてみせる。
SS15の再走となるSS17ではオジエが意地のベストタイム。このSSではラトバラがガードレールにヒットして大きく遅れてしまい、なんと総合6番手まで順位を落としてしまった。一方、ローブはヘアピンでスピンを喫してタイムをロス。首位の座は守ったものの、背後に迫るオジエに3.6秒差に迫られてしまった。そして迎えた最終パワーステージ。走行順はオジエの方が先だ。緊張感の高まるなか、ステージの幕は開いた。次々にワークスマシンがスタートし、タイムはどんどんと更新されていく。ヌービルはパンクを喫しホイールを破損しながらも、トヨタのオィット・タナックに次ぐ暫定2番手タイムでフィニッシュ。残すはオジエとローブ、ふたりだけだ。先に走ったオジエは暫定2番手タイムを更新し、ローブの走行を待つことに。果たしてローブはSS3番手タイムで走り切り、オジエとの総合タイム差は2.9秒に。スポット参戦のラリースペインで勝利を挙げてみせた。これでローブは2013年アルゼンチン以来となるWRC勝利をカウント。自身の通算勝利数を79に伸ばしている。
次戦は2018年シーズン最終戦オーストラリア。ドライバーズ/マニュファクチャラーズのタイトルがかかった1戦は、11月15日〜18日、オーストラリア東海岸のコフスハーバーを中心に開催される。
WRCスペイン 暫定結果
1. セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ シトロエンC3 WRC 3:12:08.0
2. セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア フォード・フィエスタWRC +2.9
3. エルフィン・エバンス/ダニエル・バリット フォード・フィエスタWRC +16.5
4. ティエリー・ヌービル/ニコラ・ジルスール ヒュンダイi20クーペWRC +17.0
5. ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ ヒュンダイi20クーペWRC +18.6
6. オィット・タナック/マルティン・ヤルベオヤ トヨタ・ヤリスWRC +1:03.9
7. エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム トヨタ・ヤリスWRC +1:16.6
8. ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ トヨタ・ヤリスWRC +1:26.4
9. クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン シトロエンC3 WRC +2:07.0
10. アンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル ヒュンダイi20クーペWRC +2:48.2