2018年の全日本ラリー選手権最終戦となる新城ラリー(愛知県新城市)は、11月3日(土・祝)の競技初日を終えて、SUBARU WRX STIの新井敏弘/田中直哉が総合首位、2番手には三菱ランサーエボリューションⅩの奴田原文雄/佐藤忠宜、3番手にはSUBARUの勝田範彦/石田裕一がつけている。
前戦で新井/田中のチャンピオンが決まったJN6クラスは、序盤から新井が好走を見せる展開に。新井はSS1、SS2で連続ベストタイムを刻むとリードを維持。さらにSS5も制し、最終的に2番手奴田原との差を16.4秒としてこの日を終えている。復帰戦の勝田は3番手、4番手に柳澤宏至/加勢直毅、5番手にはSS5でパンクを喫して大きく遅れた鎌田卓麻/市野諮というオーダー。首位の新井は「午後はかなり砂利が出ていたけど、好走を維持できたのはタイヤが路面に合っていたことが大きい」と語った。
JN5クラスは、ここまで連勝を挙げている川名賢/保井隆宏(シトロエンDS3 R3-MAX)がトップ。2番手には眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツGRMN)、3番手には小濱勇希/馬場雄一(シトロエンDS3 R3-MAX)という順位。前戦でドライバーズ選手権チャンピオンを決めた小濱は、SS1でトランスミッショントラブルに見舞われて2速を失い、テクニカルなセクションで思うようにスピードを発揮できず遅れをとってしまった。トップの川名は「ステージのキャラクターがはっきり分かれているので、セットアップが難しいです。特にクルマは問題なく走れていますが、まずはしっかり走り切りたいです」と語った。
最終戦までタイトルが決まっていないJN4クラスは、トップに山本悠太/小林剛(トヨタ86)、2番手にスズキ・スイフトスポーツの高橋悟志/箕作裕子、3番手に山口清司/山本磨美(トヨタ86)という順位。ランキング2番手の関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ)は4番手、ランキングトップの上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)は9番手につけている。首位の山本はこの日の走行について、「最初の走行でタイムが悪かったSSも、2回目の走行ではライバルに比べて悪くないタイムで走れました。マージンはあまり大きくありませんが、明日はしっかりケアして走りたいです」と振り返る。
JN3クラスはチャンピオンの天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR SPORT“GR”)がリード。2番手には大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)、3番手に岡田孝一/多比羅二三男(マツダ・デミオ)というオーダーとなっている。天野はSS1で山の斜面にヒットしながらもベストタイムをマークし快走を披露。一方の大倉はブレーキに不安を抱えながらの走行となった。天野は「セクション2はあまりタイムアップしませんでしたが、まあまあのタイムで走れました。まったく問題はありません。少しリヤが動きすぎているので、明日どうするか悩んでいます」と、この日の走行についてコメントした。
JN2は明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)が首位、2番手にスバルBRZの鈴木尚/鈴木裕、3番手にはランキングトップの長崎雅史/秋田典昭(トヨタ86)がつけている。序盤は鈴木がリードを広げたが、午後のステージで明治が逆転し首位に立つ展開となった。明治は初日を振り返り「午後はうまく走ることができ、なんとかトップに立てました。予定どおりのデイポイントも獲れて、ほっとしました。明日も難しい展開になりそうで、気が抜けない状況が続きます」と語っている。
日産ノートNISMO Sの伊藤隆晃/大高徹也が首位に立つJN1クラス。2番手にはホンダ・フィットRSの小川剛/佐々木裕一、3番手には前戦でチャンピオンを決めた古川寛/廣田幸子(スズキ・スイフトスポーツ)という順位となっている。「午後のステージでは抑えすぎてしまいました。路面に水が出ていたり、砂が出ていたりで、SS6ではコースオフもしてしまいました。明日はコンディションも変わるでしょうから、少し心配です」と伊藤はコメントしている。
ラリー最終日は7SS、54.99kmが舞台となる。2018年の全日本ラリー選手権最後を締めくくるバトルに注目だ。
全日本ラリー選手権 新城ラリー2018 SS8終了時点結果
1. 新井敏弘/田中直哉 スバルWRX STI 44:33.4
2. 奴田原文雄/佐藤忠宜 三菱ランサーエボリューションX +16.4
3. 勝田範彦/石田裕一 スバルWRX STI +20.7
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9. 川名賢/保井隆宏 シトロエンDS3 R3-MAX +2:16.6
12. 明治慎太郎/北田 稔 トヨタ86 +2:44.1
15. 山本悠太/小林 剛 トヨタ86 +3:01.5
19. 天野智之/井上裕紀子 トヨタ・ヴィッツ +3:20.2
30. 伊藤隆晃/大高徹也 日産ノートNISMO S +4:56.4