WRCオーストラリア:激動のシーズン、タイトル決戦の舞台は多彩なグラベル路 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
現地速報がすぐわかる! バックナンバーが読み放題。ラリプラLINE限定コンテンツ配信中

WRCオーストラリア:激動のシーズン、タイトル決戦の舞台は多彩なグラベル路

©Hyundai Motorsport GmbH

2018年FIA世界ラリー選手権のトロフィーを巡る最終決戦の舞台となるのは、11月15−18日に開催されるラリーオーストラリアだ。

久しぶりに最終戦にもつれ込んだタイトル争いは、ドライバーズ、コ・ドライバーズ、マニュファクチャラーズ、各選手権がいずれも三つ巴の争いとなっている。その行方を決めるのは、オーストラリア・コフスハーバー周辺のグラベル路。ここで、近年稀に見るドラマチックで張り詰めた今シーズンの王者を決める争いが繰り広げられる。

波乱と変動の多かった今シーズンの選手権争いは、前戦スペインで激しく動いた。セバスチャン・オジエが4月のラリーアルゼンチン以来となる選手権首位の座を奪還。現在、WRC5連覇中の王者オジエは、ティエリー・ヌービルに対し3ポイントのリードを握っているが、これにより今戦の初日はグラベル路を先頭からスタートし、砂利掃きの役目を背負わなくてはならなくなった。この南半球戦でライバルを制してタイトルを獲得するためには、確実に勝利したいところだ。

総合順位の他、パワーステージポイントによっても順位が変動する可能性は大いに残っている。オィット・タナックは、スペインでタイトルチャンスに大きな陰りを見せ、同じく首位を快走していたウェールズ同様に失速を余儀なくされてしまった。タナックがタイトルへの可能性を残すには、最大ポイントの獲得は必須。さらに、オジエとヌービルがどれだけポイント獲得するか、その結果も待たなくてはならない。

一方、マニュファクチャラーズ選手権も、TOYOTA GAZOO Racing WRT、ヒュンダイ・シェル・モビスWRT、Mスポーツ・フォードWRTが最終戦での決戦に臨む。トヨタのリードは現在12ポイント差。それを追うヒュンダイと、さらに後ろのMスポーツ・フォードとの差は13ポイントとなっている。3つのタイトルが決戦を迎えるこのラリーオーストラリアは、いつも以上に重要度が高く、わずかな失速が一年の結果を左右する天王山のラリーとなる。

そのオーストラリアは、WRC戦の開催は今回が26回目。当初は西海岸のパースを拠点としていたが、2009年にニューサウスウェールズに移動。タイト&ツイスティなステージと、リズムに乗るハイスピードコースがミックスされており、クルーにとっても独特な試練となっている。ステージの多くが雨林の奥深くに設定されている他、朝夕は日差しが低いために、木々の間から差し込む日の光がストロボのように視界に影響し、トリッキーな要素として警戒される。

サポートカテゴリーのWRC2、WRC3は既にタイトルが確定していることもあり、今戦のエントリーは少なめとなっている。

■ラリールート

FIA

今年はルートに変更が行われ、11本中8本が新設か以前とは逆方向での設定となっている。金曜日は3SSを2回ループした後、人気のコフスハーバーでのスーパーSSが控えている。この日、昨年から変更がないステージは、Sherwood(SS3/6)のみ。土曜日はイベント最長の一日で、4SSを2回走行。この日も、スーパーSSで締めくくられるが、今年は小さな修正が行われている。日曜日は最も走行距離が短いが、3SSを2回ループする83.96kmのステージが設定されており、すべてを走り切るまで油断はできない。

ポディウムセレモニーも、これまでのコフスハーバーの市街地から、パワーステージに指定されているウェディング・ベルのフィニッシュに移されている。ここで、ラリーオーストラリアの勝者、そして、ついに明らかとなる2018年WRCチャンピオンが祝福を受けることになる。

■ラリーデータ
開催日:2018年11月15-18日
サービスパーク設置場所:コフスハーバー
総走行距離:1017.07km
総ステージ走行距離:318.64km(SS比率:31.33%)
総SS数:24

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3



RALLY PLUS