WRCオーストラリア:ラトバラ「クリスマスをハッピーに迎えたかった!」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCオーストラリア:ラトバラ「クリスマスをハッピーに迎えたかった!」イベント後記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRC

WRCオーストラリアのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。変調の激しい一年をシーズン初勝利で締めくくったラトバラ。シーズンを未勝利で終わることを回避したこと、そして、コントロールした走りでトヨタのマニュファクチャラーズタイトルを引き寄せたことに、安堵の笑みを隠さなかった。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者

Toyota Gazoo Racing WRC

1位:ヤリ−マティ・ラトバラ=SL(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
1位:ミーカ・アンティラ=MA(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
2位:ヘイデン・パッドン=HP(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
2位:セバスチャン・マーシャル=SM(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
3位:マッズ・オストベルグ=MO(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
3位:トルステイン・エリクセン=TE(シトロエン・トタル・アブダビWRT)
トミ・マキネン=TM(トヨタ・ガズーレーシングWRTチーム代表)

Q:ヤリ−マティ、おめでとう。2017年以来の優勝だ。今の気分は。
J-ML:あきらめていたと言ってもいい。今年は、WRCで一勝もできない初めての年になるだろうと思っていた。ラリーの前にも、ジャーナリストたちからも、(2008年の初優勝以来)毎年勝っていたのに、と言われた。「分かっているよ!」って言ったけどね。でも、もし一勝もできなかったとしても、マニュファクチャラーズタイトルを獲ったことは、一つの勝利の形だ。シーズンの後半は調子がよかったし、今回の優勝は本当にうれしい。一生懸命がんばっているのにリザルトに結びつかないのは、モチベーションが高まらない。とても大切な勝利だが、より重要なのはマニュファクチャラーズ選手権だった。

Q:今日のウエットコンディションはタフな試練だったか。
J-ML:そうだね。木曜日から既に天気予報では、金曜日か土曜日に雨が降ると言っていたが、金曜日には降らなかったし、土曜日も降ったのはスーパーSSだけだった。最終日のためにソフトタイヤをセーブしておいたら、雨が降ってきた。気持ちの中では、ヘイデンとの差を広げることだけを目指していた。このラリーを勝とうとは考えていなかった。でもウエットは自分の好きなコンディションで、アタックするチャンスがやってきた。もしうまくやれれば、いいタイムが出せる。でも、悪い方向にも行きかねない。最悪な、ね。最終日の朝はとてもうまくアタックできたし、おかげで少し落ち着けたのだと思う。そして、オットが少しコースオフした。日中サービスでトミと話した時に、自分はコントロールした走りを続ける、大きなリスクは負わないと言った。絶対にフィニッシュしなくてはならなかった。午後は集中していたが、110%で集中しなくては、すぐにミスをしてしまうような状況だった。場所によってものすごくスリッパリーなところがあって、そこでつかまりやすい。

Q:トヨタにタイトルを獲らせなくてはならないというプレッシャーは感じていたか。
J-ML:パワーステージをスタートした時、自分はステージの英雄になるか、ゼロになるしかないと分かっていたし、ゼロにはなりたくなかった。昨年はサスペンションを壊した。あの時は選手権には影響しなかったが、今回はタイトルが懸かっていた。今年は、絶対に逃すわけにはいかないと分かっていた。クリスマスを悲しい気持ちで過ごしたくはなかった。ハッピーに迎えたかったからね!

Q:ミーカ、とても重要な勝利なのでは。
MA:もちろんだ。今回は、マニュファクチャラーズタイトルだけがターゲットだった。どんな形でも構わなかった。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:トヨタはチームが一丸となって戦った。
MA:そうだね、今年はヤリ−マティも自分も、前半は調子がよくなかった。でも、後半はみんがいいリザルトを出し始めた。オットとマルティン、エサペッカとヤンネ、3台が揃ってほとんどのラリーでトップ6に食い込んだ。マニュファクチャラーズタイトルを獲るためには、この強さが必要。戦いは本当に厳しくなっている。今日のラリーもすごくタイトだった。エサペッカはフィニッシュしなくてはならなかったし、最後のステージでは僕らもいい形でモチベーションを高められた。

Q:ヘイデン、トリッキーなコンディションだったが的確な走りでポディウムに上がった。満足の内容だったのでは。
HP:この週末の進捗にはとてもハッピーだ。誰かが脱落して順位が上がったのではなく、自分自身の力でポディウムに上がったのは久しぶりだ。今日は少しナーバスになっていた。コンディションが超スリッパリーな時には、あまりいい走りができていなかった。ミスをしないように集中しなくてはならなかったが、それがうまくできた。フィンランド前に自分好みの形にマシンを変更してからは、とても一体となれている手応えがある。すごくスリッパリーなコンディションでも、全く問題がなかった。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:スポット参戦でマシンを乗りこなすのは簡単ではなかったのでは。
HP:そうだね、結局はバイクに乗るようなものだ。ヘルメットを被ればゾーンに入る。リズムをつかんで、スピードに乗れるし、マシンに何ができるかも分かる。言い訳にはならない。こういった形の参戦を何年もやってきたのだからね。マシンに乗るたびに、エンジョイしてきたよ。

Q:今日は波乱がたくさん起きた。プレッシャーを感じたか。
HP:全てを忘れるようにした。シンプルに物事を進めることだけを望んだ。ヒュンダイのマニュファクチャラーズ選手権争いに貢献したかった。今後のことはまだ分からないが、自分の以前の形に戻りたかったし、ポイントも獲りたかった。いい方向に、いい形で進むことができた。

Q:この後の流れは。他のチームとも話しをしているのか、ヒュンダイとだけか。
HP:ヒュンダイに残りたいと思っているが、これが最後のラリーになるのかそうでないのかは、分からない。この先2週間でどこから何が出てくるか、待つしかないね。

Q:セブ、今日はトリッキーなコンディションだった。自分としてはどうだったか。
SM:間違いなく、ギリギリの戦いだったね。昨年の日曜日は天気が勝負を大きく左右したので、全く予想外だったという訳でもない。すごくスリッパリーになるコーナーがあるのは分かっていたし、たぶんあのコーナーだな、というのも分かっていたが、木に向かってスライドした時は、最悪のコーナーがどれかは分かっていなかったのだと気付いたよ。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:この大バトルでのこのリザルトは、満足なのでは。
SM:もちろん。トルコでもポディウムに上がったが、ハードなラリーだったし今回ほど楽しめなかった。昨日のステージは本当に素晴らしかったしシーズンのハイライトとなった一戦をこのような形で終えられたのは、本当に満足だ。

Q:マッズ、素晴らしいバトルに絡んでいた。ポディウムフィニッシュで喜んでいるか。
MO:そうだね。この週末は、本当に浮き沈みが激しかった。金曜日は順調だったが、すぐにコンペティティブに走れたことに驚いたよ。こんなにマシンと一体となって走れたことはなかった。それから土曜日はさらにトリッキーになった。マシンのバランスを感じることができなかった。タイヤチョイスも当たらず、完璧ではなかった。そして今朝起きてみたら、コンディションはトリッキーだったが、これはチャンスだと思った。トリッキーなコンディションになっていてハッピーだったよ。最初のステージはうまく行かなかった。自分の思ったような走りをしたのは、ヤリ−マティだった。彼と話しをして、朝起きた時に何をしたのか聞きたかったよ。でも、その後リズムをつかんだ。エサペッカがハードにプッシュしてきたので、それを抑えなくては。コースオフもしたが、何とか凌ぎ切った。

Q:来年については。
MO:話せることはあまりない。分からないよ。この先の数週間でどうなるかを待つしかない。今回、いいラリーができたことは重要だったが、決定権は自分にはない。

Q:トルステイン、浮き沈みの激しいラリーだったが、どのようにしてずっとポジティブでいられたのか。
TE:ただ、次のステージのことを考えていた。今日は、絶対にあきらめずにがんばった。今回の内容を誇りに思うよ。ウェールズでのグレートオーム以来の走りで、2ヶ月後はオーストラリア、そしてすぐに首位に立った。選手権で自分たちがどれだけやれるかを、証明していると思う。

Q:君たちがまた選手権に戻ってくるのを祈っている。本当にラリーに情熱を持っているからね。
TE:もちろん。スタート前、このラリーを楽しもうと決めた。マッズに、ポディウムに上がるために最大の努力を尽くすと言ったよ。
MO:スタートの前ですら、彼は僕をポディウムに上げようとプッシュしていた。満面の笑顔で、話し続けるんだ。自分の気持ちをポジティブにさせてくれる人だよ。

Citroen

Q:トミ、信じられないイベントになった。ヤリ−マティが勝ち、トヨタはマニュファクチャラーズタイトルを獲得。誇らしいのでは。
TM:もちろんだ。自分たちがこのプロジェクトをスタートさせて、まだ3年半にも満たないが、いまここにいる。自分たちの戦略は、自分たちが考えている以上に早く進んだ。2016年と2017年は学ぶ年として、いろいろなアイテムを分析し、2018年に本格的にマシンの開発を始めた。シーズンの後半戦は、改良できる部分がたくさんの部分で見つかった。本当に素晴らしい。チームのみんなは必死で努力してきたので、みんなにとって最高の賞だ。

Q:まさにチームワークだ。
TM:その通り。チームには150人近くのスタッフがいるが、その一人一人が重要な役目を担っている。それを続けて行きたい。今の自分たちのやり方が、モチベーションを高め続けている。このタイトルは、来年も続けて行くためのみんなのモチベーションになることは間違いないよ。

Toyota Gazoo Racing WRC

Q:オットがコースオフした時、何を考えたか。
TM:起こり得ることだというのは分かっていた。自分の姿を重ねていた。本当に残念だ。タイトルを争っている時は、さらに悲しみも深くなるが、タイトル争いはセバスチャンがかなり有利になっていた。それでも、本当に残念だが、今日のコンディションでこの週末の戦いをここまでエキサイティングにしてくれた。木の間を走っている時のコンディションは、すごくスリッパリーになることは分かっている。その先に待っているコーナーがどのような状況になっているかは全く分からない。本当に難しいラリーなんだ。

Q:来年はクリス・ミークが加わる。力関係はどのようになるのか。
TM:チーム全体がいいチームワークをしている。ドライバーたちも、協力し合っているし、今後もこの形を続けて行きたい。クリスはとてもいチームプレイヤーだし、フレンドリーな人だ。もちろん、エサペッカ・ラッピが離れて行くのは寂しい。彼もいいチームプレイヤーだったし、いいドライバーだ。でも、これもラリーだ。人は動いて行くし、ドライバーも違うチームに移っていく。来年についても、かなり自信を感じている。



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