WRCは、再びシーズンが動き出す。開幕戦を務めるのは今年も、最も古く、高名なイベント、ラリーモンテカルロだ。路面種別はターマックだが、冬季の開催のためコンディションが予測不可能になることは間違いない。フレンチアルプスに設定されるステージは、ドライ/ウエットターマック、スノー、アイス、それぞれがミックスされることもあり得る。この全てのコンディションの中で折り合いをつけるタイヤ選択はどれか。路面を先読みするアイスノートクルーたちの能力に頼る部分も大きいほか、ループ中のタイヤの摩耗をうまく管理するペース配分も重要だ。
今年も最新スペックのWRカーでマニュファクチャラーズ選手権を戦うのは、シトロエン、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォード、そしてディフェンディングチャンピオンとして新シーズンを迎えるトヨタ。そしてドライバーのラインナップも、大きくシャッフルされた。6連覇王者のセバスチャン・オジエはシトロエンに復帰し、新しいチームメイトとしてエサペッカ・ラッピを迎える。ラリー界で最も成功を収めているセバスチャン・ローブも、6戦のみながら衝撃の復帰をヒュンダイで果たす。レギュラードライバーのティエリー・ヌービル、アンドレアス・ミケルセンがチームメイトとなり、ローブのマシンをダニ・ソルドがシェアする。
Mスポーツ・フォードに残留するエルフィン・エバンスは、このチームで5シーズン目を迎えるが、コ・ドライバーにスコット・マーティンを迎える。チームメイトのテーム・スニネンは、WRカーでのフル参戦は今シーズンが初めて。同じく新しいコ・ドライバーとして、マルコ・サルミネンと組む。さらにモンテカルロ戦では、元WRC2チャンピオンのポンタス・ティデマンドが参戦。ティデマンドは、WRカーでの初参戦となる。トヨタには、選手権に復帰するクリス・ミークが加入。チームメイトは、オィット・タナック、ヤリ‐マティ・ラトバラとなる。
新たに創設されるR5のマニュファクチャラーで戦うWRC2プロ選手権には、現在シトロエン、Mスポーツ、シュコダが登録。昨年、実戦デビューを果たしたフォルクスワーゲン・ポロGTI R5は、プライベーターが戦うWRC2選手権に登場する。またラリーモンテカルロは、FIA RGTカップの初戦にもなっている。
■ラリールート
87回目の開催を迎える今年のラリーモンテカルロは、セレモニアルスタートの会場がギャップに移り、木曜日の夜に行われる。そのまま競技がスタートし、この日は新しいナイトステージを2本、走行する。金曜日には、さらに新しいチャレンジが待っており、イベント最長となるこの日は、3SSを2回ループする設定。SS3/6は全く新しいステージ、SS4/7はほとんどが例年通りだが、SS5/8はこれまで走行したことのない方向での設定となっている。土曜日のルートは最終的にモナコに向かうレイアウトとなっており、2SSを2ループする93.38km。日曜日は、上位60台が、コル・チュリニと、ラ・カバネッテ−コル・ブラウスを2回走行。ラ・カバネッテ−コル・ブラウスの2回目は、パワーステージに設定されている。
■ラリーデータ
開催日:2019年1月24-27日
サービスパーク設置場所:ギャップ
総走行距離:1,366.43km
総ステージ走行距離:323.83km(SS比率:23.7%)
総SS数:16
■開催選手権
WRC
WRC2プロ
WRC2