ラリーフランス、フィニッシュ了後の各ドライバーからのコメント(抜粋)。ヌービルに11秒差をつけての首位に浮上して迎えた最終パワーステージで、まさかのパンクに涙をのんだエルフィン・エバンスは、自他ともに認める速さを発揮した事実を、何とか自信に結びつけようと言い聞かせるようにコメントを絞り出した。
(カッコ内は順位の前日比)
[ヒュンダイ・モータースポーツ]
ヒュンダイi20クーペ WRC
■ティエリー・ヌービル/総合優勝(=)
「何てラリー、そして素晴らしいリザルトになったんだ! エルフィンとスコットの心情をお察しするよ。本当に気の毒だ。素晴らしいバトルだったし、間違いなく今回の最速のクルーだった。フィニッシュでメカニックたちを見るまで、何が起きたのか全く分からなかった。パワーステージではハードにプッシュしたし、今回獲得したポイントは、選手権争いの上でもものすごく大きな意味を持つ。ヒュンダイ・モータースポーツの懸命な努力の結果だ。純粋なペースでは最速ではなかったかもしれないが、ターマックでのパフォーマンスは格段に改良されているし、この勝利は彼らへの恩返しとして完璧な形だ。土曜日は午後のステージで大きく差をつけて、自分たちのチャンスを引き寄せた。それが、このリザルトに結びついた。ラリーが終わるまで戦いは終わらないんだ!」
■ダニ・ソルド/総合4位(=)
「今回はチームのために高ポイント獲得を目指して来たが、それを果たせた。今回は、特に土曜日のロングステージではポジティブなペースを見せられたが、苦戦した時もあった。ポディウム争いができるだけの一貫性はなかったが、4位でフィニッシュしたことはそう悪くはない。ティエリーとニコラ、そしてチームの勝利を祝福したい。マニュファクチャラーズ選手権で首位に返り咲いたことがうれしいよ。次のアルゼンチンが楽しみだ」
■セバスチャン・ローブ/総合8位(=)
「チームにとって素晴らしいリザルトになった。残念ながら金曜日の開幕ステージでのトラブルで、今回は自分たちに見せ場はなかった。タイムのロスが大き過ぎた。モチベーションは、順調な時ほどは高くなかった。代わりにセットアップの作業に徹したので、今後に向けて調整を行った。厳しい展開ではあったが、楽しめるラリーだった。次はもっといい走りがしたいね」
[シトロエン・トタルWRT]
シトロエンC3 WRC
■セバスチャン・オジエ/総合2位(↑)
「ポイントの面ではいいリザルトだった。難しいラウンドで19ポイントを獲得した。一方で、純粋なパフォーマンスという点で本当に苦しんだ。それがなぜなのか、理解しなくてはならない。そうすれば、この路面で同じトラブルに遭うことはない。C3 WRCはこれまで、この路面でいいパフォーマンスを見せてきたからね。いずれにしても、今のマシンの力を最大限に出せたことはうれしいし、アルゼンチンではグラベルを掃かずに済むよ」
■エサペッカ・ラッピ/総合7位(=)
「今回は期待を高めてやってきたので、結果に満足することはできない。自分たちはパフォーマンスが足りず、かなりアンダーステアに苦しんだ。次のターマック戦のドイツ、スペインまでに、この問題をしっかり解決していく。まずは、アルゼンチンでまたグラベルに戻るのを楽しみにしているよ」
[Mスポーツ・フォードWRT]
フォード・フィエスタWRC
■エルフィン・エバンス/総合3位(↓)
「今は落胆しているが、全体としては本当にポジティブな週末だったし、自分たちには勝てるだけの速さがあったことは分かっている。今日の最初のステージではフィーリングがとてもよく、いいリズムを築いてパワーステージを迎えた。何が起きたのかはハッキリとは分からないが、道の真ん中を走っていて、ライン上の石か何かにヒットしたという不運に遭ったのだと思う。すぐに、よくない状況だと察したし、数百m後にパンクの警告灯がついたので確信に変わった。フィニッシュまで11kmあった。交換のために止まればかなり順位を落とすのは分かっていたから、走り続けると決めた。幸い、走り切ることができて、ポディウムを守ることはできた。リザルトは自分たちが願っていたものではなかったかもしれないが、ペースは出ていたし、ここから自信を得ることができると思う。今季はここまで、かなりいい滑り出しになっているし、この4戦でのフィエスタの動きには本当に満足している。Mスポーツのみんなは、改良のために常に必死で取り組んでいる。この先のイベントも、この強さを維持できない理由は見つからないよ」
■テーム・スニネン/総合5位(=)
「とてもいい週末になったし、自分たちの出来には満足できる。ラリー前は、シーズンで最も厳しくなると思っていた。WRカーで参戦したことがない唯一のイベントだったし、自分が課題としている低速コーナーがたくさんあるからね。でも、今日のようなクリーンなセクションではとても速く走れたし、上位タイムを出すこともできた。ダーティーなセクションではまだ努力が必要だ。しかし、いい順位でラリーをフィニッシュできたし、パワーステージで3ポイントを獲れたことはよかった」
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
トヨタ・ヤリスWRC
■オィット・タナック/総合6位(=)
「全体としては、いいイベントになった。力強いパフォーマンスが出せたし、今年のツール・ド・コルスはかなり楽しめた。もちろん、最終的なリザルトには残念だが、2年前には楽しめなかったラリーが、今はペースがあっていいリズムでドライビングできているので、これについては笑顔でいられる。今日はパワーステージでポイントを獲得することだけを目指していたし、クリーンな走りでリスクは負わなかった。戦いは続いている」
■クリス・ミーク/総合9位(=)
「今日はパワーステージで攻めて、最高の5ポイントを獲得できた。もちろん、このような展開よりも、ラリーでの優勝を争っていきたい。でも、大差がついていたので、今日の最初のステージではタイヤをセーブすることができた。これで、タイヤがいい状態でパワーステージを迎えられたので、マシンを無事に持ち帰ることを頭に残しつつ、攻めることができた。ヤリスWRCはこの週末を通して素晴らしかったし、シェイクダウンから走りを楽しめた。とにかく自信を持ち続けなくてはならない。ビッグリザルトは、これから必ずやってくる」
■ヤリ‐マティ・ラトバラ/総合10位(=)
「パワーステージでは、1、2ポイントまであと少しだったが、リスクを負う自信がなかった。この週末を通して自分は速さに欠けていたので、とにかくマシンをフィニッシュさせることが重要だった。ターマックでの走りを改善させるために考えなくてはならないのは分かっているが、それは今後に向けてのこと。今はこのイベントのことは忘れて、次の南米戦にエネルギーを蓄えて向かうことに努めるだけだ」