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全日本ラリー唐津:KYB製ダンパーを新たに装着したTGR Vitz GRMN Rallyが今季3勝目

©TOYOTA

2019年全日本ラリー選手権第3戦「Sammy ツール・ド・九州2019 in 唐津」が、4月12日(金)~14日(日)に佐賀県唐津市を拠点に行われ、TOYOTA GAZOO Racingの眞貝知志/安藤裕一組(TGR Vitz GRMN Rally)がJN2クラス優勝を達成。シーズン3連勝を飾った。

モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的として、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing。このラリーから、TGR Vitz GRMN RallyにはKYB製のダンパーが新たに投入された。量産車だけでなく、ニュルブルクリンク24時間レース活動でも協力を進めているKYB社と、全日本ラリー選手権でもタッグを組むことで、より細かな足まわりの開発を進めるという。また、今後は量産車ダンパーへの展開など、様々な可能性を視野に入れた取り組みと位置づけられている。

チームはKYB製足まわりの確認を含めて1日のテストを実施。チーフメカニックの宮本昌司は「唐津は路面グリップも高いですし、舗装路ラリーのなかでも力を試される一戦だと思います」と、コメント。レッキを終えたドライバーの眞貝は「ここは得意なラリーですが、今回登場した新しいSSは平均スピードが高く、非常に走りがいのあるコース設定なので、気を引き締めて臨みます」と語り、ラリーをスタートした。

タイヤに厳しい路面状況となった初日、眞貝選手は足まわりの感触を確かめながらも、この日行われたすべてのSSを制し、クラス2番手に対して大きな差をつけることに成功する。ラリー2日目は中間サービス後に天候が悪化したが、TGR Vitz GRMN Rallyはウエットコンディションにもしっかりと対応し、リードを保ってフィニッシュ。開幕戦からの連勝記録を3に伸ばした。

TOYOTA

豊岡悟志(チーム監督)
「良い結果を残せましたが、タイヤに厳しいラリーだったこともあり、簡単ではありませんでした。課題もありますが、クルマの進化に関してはおおむねいい流れにあると思います。ただ、スタッフの動きについて、クルーの要求に応え切れていない局面がありました。チームワークや個々の能力に関して、課題や学びがあらためて浮き彫りになったと思っています。課題を整理し、今後もさらに上を目指していきたいです」

宮本昌司(チーフメカニック)
「タイヤの磨耗が厳しく、眞貝選手にはある程度セーブしながら走ってもらうことになりました。この点に関して、今後クルマ側で対応できることがないか検討を進めています。ラリー中に足まわりの交換作業などの整備機会がありましたが、今季数人メカニックが入れ替わったこともあり、まだまだ習熟度が低く、少し浮き足立ってしまう場面がみられました。今後、当然一人ひとり、力を付ける事も大事ですが、チームとして人材育成の一つの課題と捉え、育て方や受入体制など仕組み作りにも着手していこうと考えています」

佐々木良典(GRプロジェクト推進部)
「KYB製ダンパーを投入したことで、サスペンションのセッティングを色々と試すことができました。サスペンションの挙動に関しては、選手からも前向きなフィードバックを得られています。ただ、今回はタイヤマネージメントの難しさを感じました。かなり磨耗に苦しめられましたし、これは大きな宿題になりそうです。車両と路面の相性など、エンジニアリングとしてはやりがいのある部分です。2週間後の久万高原はキャラクターがまったく違いますので、新たな気づきがあるでしょうし、まさに“終わりなき旅”のようだと感じています」

眞貝知志(ドライバー)
「課題はいくつか見つかっていますが、JN2クラスにおける戦いに関しては、ここまで順調に進めることができています。試行錯誤をしつつも、大きなトラブルはないので、そういった意味でもいい流れです。今回から投入されたKYB製の足まわりは高いポテンシャルがあり、乗り出しから違和感なく走ることができました。次戦の久万高原は好きなラリーですが、高地特有の変わりやすい天気の中で、晴れているとタイヤに厳しくなる一方、雨が降ると真逆の大変スリップしやすい路面となり、路面コンディションに合わせたクルマのセットアップやドライビングが勝負を分けます。しっかり気持ちを入れて、集中して走りたいと思います。」

TOYOTA

Sammy ツール・ド・九州2019 in 唐津 JN2クラス最終結果
1. 眞貝 知志/安藤 裕一(TGR Vitz GRMN Rally) 1:07:39.3
2. 上原 淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) +1:54.8
3. 石井 宏尚/明治慎太郎(LEXUS RC F) +2:34.5
4. 山村 孝之/井沢 幹昌(シトロエンDS3 R3-MAX) +6:17.1
※出走6台、完走4台



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