FIAのWRC安全委員ミシェル・ムートンが、2020年のWRCカレンダー復帰を前提としてキャンディデート開催を控えるサファリラリーに対して、よりタフなイベントにすることを求めたと伝えられている。
ナイロビ拠点のメディア「デイリーネーション」は、「ムートンが求めていたのは“人にもマシンにもまさに試練となるザ・サファリラリー”を目にすることだった。現代のスプリント勝負のWRC陣にとって、大変な仕事になることは間違いない。2019年のサファリラリーのルートは、昔のサファリでの経験を再現するタフなものでなくてはならないと語った」と伝えている。
ムートン自身はサファリラリーに2回参戦しており、1983年には3位に入っているが、この時の総走行距離は5035kmにも及んだ。2019年のキャンディデートイベントで予定されている暫定ルートは786kmで、ステージ走行距離は255km。WRCサファリラリープロジェクトのCEO、フィネアス・キマチは「ルートは完璧だったが、クルーにとってよりタフなものに改良できる余地はある。彼女の提案に沿って、今年7月5−7日に開催される2019年サファリラリーのコースは、安全性を確保した上でよりコンペティティブなものとする方向で準備中だ」と声明を発表している。
WRCプロモーターのオリビエ・シースラが、WRCのフランス戦はコルシカ島ではなくフランスの中心部で行うほうがいい、と語ったと伝えられたことに対し、シースラ自身は「私の口からネガティブなコメントが出ることは一切ない。主催者は素晴らしい努力を注いでくれているが、このイベントのクオリティを1つの島ではなく、フランス本土で行うことができれば素晴らしいだろう。そうなれば、世界最大級のラリーイベントとなる。50万人の観客が見込めるし、他に類を見ない規模だ」と反応している。
このコメントに対し、独特な伝統的イベントなどが作り出してきたラリー界の遺産の価値に対するシースラの個人的な評価に、疑問の声が挙がっている。
クレイグ・ブリーンが、イタリア選手権のサンレモラリーにシュコダ・ファビアR5で参戦。ラリーは全般に渡りフォード・フィエスタR5のシモーネ・カンペデッリがリードしていたが、最終ステージで逆転したブリーンが4.3秒差で優勝を飾った。カンペデッリは、34kmとロングの最終ステージをブリーンに対して11秒差をつけて迎えたが、ドライでスタートした後、霧が出てきてウエットに変化したコンディションに対し、タイヤが明らかにマッチしていなかった。しかしブリーンは、今回の様な予想外のコンディションを、既に経験済みだったのだ。
このサンレモラリーは、イタリア最高峰のラリー選手権の第2戦にあたり、現在のランキングは、ジャンドミニコ・バッソ(25ポイント)、カンペデッリ(24ポイント)、ブリーン(23ポイント)、ルカ・ロセッティ(18ポイント)となっている。
(Martin Holmes)