2010年のブルガリア以来、全く新たにWRCカレンダーに加わる今週開催のラリーチリ。クルーたちが0からペースノートを作らなくてはならないこのイベントに向けて、Mスポーツ・フォードは、英国のワークショップには戻らずにアルゼンチンに留まったまま、フォード・フィエスタWRCのリビルトとチリ向けのプリペアを行ってきた。
そのチリのステージを地元のように感じることができるかもしれないのが、エルフィン・エバンス。ステージは、出身地のウェールズにも似た性格を持っているようだ。新しいペースノートを作る作業に定評のあるエバンス。ルートが80%近く変更された今年のコルシカでも、パンクがなければ優勝していたであろうペースを見せていた。
「誰にとっても、新しい経験となるイベント。全く新しいペースノートを作らなくてはならないのは珍しいが、そのチャレンジも楽しみにしている」とエバンス。
「ロジスティックの面では、チームは大変な試練を乗越えなくてはならない。特に前戦で誰かさんがマシンにダメージを負わせてしまったからね! マシンをリペアしてくれたメカニックたちには、心から感謝している。今度は自分がチリで、リザルトで恩返しをしたい。動画を見る限りでは、ウェールズのステージとそう変わらないように見える。幅もほどよく、リズムに乗れてテクニカル。でも、レッキを終えてからちゃんと判断するべきだね。それまでの間、自分はサンティアゴでペドロ・ヘラーと過ごし、アンデスに登った。本当に素晴らしい景観で、この国のことをもっと知りたいと思った。ラリーについてもペドロからヒントを与えてもらいたいと思っている」
テーム・スニネンにも、チリでは経験値がベテランとイコールコンディションになるというアドバンテージが期待できる。
「主催者からのレッキ動画を見ると、ラリーチリはとてもスムースなイベントのようだ」とスニネン。
「レッキでステージの詳細を見るまではハッキリ言えないが、とても興味深く感じている。自分はこのイベントと相性がいいように思う。上位はトップ3のドライバーが争うと思うが、その後ろのリザルトはかなり混戦になるだろう。コルシカのように、戦いはどのようにでも変わり得る。だから、チリでも自分のパフォーマンスを見せたいし、それを心から楽しみにしているよ」