全日本ラリー開幕戦「ツール・ド・九州 in 唐津」で全日本選手権デビューを飾ったトヨタ86は、JN-3クラス6位でフィニッシュ。デビュー戦ながらステージタイムではクラス3番手を刻むなど、そのポテンシャルを感じさせる結果となった。
クルーを務めたのはJN-3クラスでホンダS2000をドライブしていた筒井克彦/船木一祥。初戦を終えて「セッティングで苦労した部分もありましたが、今後は基本セットを見直して、どこに問題があったかを洗い出します」と筒井。
86の印象については「昔はラリーでもレースでも“ハチロク(AE86)”に乗ったことのあるドライバーって多いと思うんです。いろんな人がハチロクで育っている。僕もモータースポーツデビューはAE86のレーシングカーでした。そのハチロクと同じように、この新しい86も、乗った人が10年後20年後にトップドライバーとして出てきてくれたらうれしいなと思います」と語った。
チーム代表を務める勝田照夫氏は「ひとまずは完走してデータを取れたのが大きいですね。なにしろデビュー戦なので、色々な問題点があるのは普通の話。やはり実戦で走ることで今後の可能性の先、アイデアが見えてきた部分もあります。我々もAE86の時代から、FRのクルマづくりというのをやってきてはいますが、それとは全然違う考え方の部分がけっこうある。マシンの限界にいった時に、非常に奥の深い、違う面が出てくるのです。このクルマのチューニングの奥深さが垣間見えました。そういうことを突き詰めて考えていけば、今回のタイム差を覆すのも不可能ではないと思います」と86の可能性を感じたようだ。
86は、グラベル路面で争われる全日本ラリー第2戦久万高原(4月28〜30日)にも出場。チームは同じくLUCK SPORTから、香川秀樹がステアリングを握る予定だという。