WRCポルトガル:南欧グラベルラリー連戦に挑むヤリスWRC – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCポルトガル:南欧グラベルラリー連戦に挑むヤリスWRC

©TOYOTA

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、5月30日(木)から6月2日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリーポルトガルと、6月13日(木)から16日(日)にかけて開催される第8戦ラリーイタリア(サルディニア)の南ヨーロッパグラベルラリー2連戦に、オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組の、3台のヤリスWRCで参戦する。

2019年のWRCは、第5戦ラリーアルゼンチン、第6戦ラリーチリと、2戦連続で南米のグラベルラリーが続いた。そして戦いの舞台は移り、ヨーロッパでの今シーズン最初のグラベルラリーとなるラリーポルトガルと、ラリーイタリアが、1週間のインターバルを置いて開催される。

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第7戦ラリーポルトガルは、昨年と変わらずポルトガル北部ポルトの近郊、マトジニョスのサービスパークを中心に行われる。テクニカルなセクションを含む中高速のステージが多く、道の表面は「ルーズグラベル」と呼ばれる、目の細かな砂利や砂に覆われている。そのため、出走順が早い選手は滑りやすいルーズグラベルが多い状態の路面を走らなければならず、タイヤのグリップが十分に得られない。また、土質が軟らかい路面も多いため、ステージを2回目に走行する際は下から硬い石が現れ、深い轍も刻まれる。

ラリーはサービスパーク南側の古都コインブラでのセレモニアルスタートで木曜日に開幕。金曜日から競技が始まり、2001年の大会以来久々に、アルガニルの周辺でSSが行われる。3本のステージを日中のサービスを挟むことなく各2回走行し、1日の終わりにはロウサダのラリークロスサーキットでスーパーSSが行われる。土曜日は多くの選手にとって馴染みのあるエリアで、3本のステージを各2回走行。その中には、カブレイラ山脈の風光明媚なステージも含まれる。最終日の日曜日は5本のステージを走行。そのうちSS17/20ファフェは、大勢の観客が集まるビッグジャンプで有名な、ラリーポルトガルの名物ステージだ。全20本のSSの合計距離は306.97km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1433.15kmとなる。

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続く第8戦ラリーイタリアは、地中海に浮かぶイタリアのサルディニア島北部、アルゲーロにサービスパークが置かれる。ラリー全体の構成は昨年と非常に似ており、島北部のグラベルロードを走行する。全体的に道幅の狭い中高速ステージが中心で、路面の多くは目が細かい砂に覆われている。しかし、多くのクルマが走ると表面の砂が掃け、下から硬質な路面や石が現れる。また、同じステージを2回目に走行する際には、深い轍ができるステージもある。道の両側には木々が迫り、大きな石や岩もあるため精度の高いドライビングが求められる。さらに、天候次第では気温がかなり上昇することも多く、クルマにとって非常に厳しいラリーだといえるだろう。

ラリーは木曜日の晩、アルゲーロ近郊のモトクロスサーキットでスーパーSSが行われ、戦いの火蓋が切られる。金曜日はサービスパークの東北エリアで4本のステージを各2回走行。土曜日は東側で3本のステージを各2回走る。そのうち、SS11/12モンテ・レルノは「ミッキージャンプ」というニックネームで呼ばれる大きなジャンプが有名な、人気ステージだ。最終日となる日曜日は、アルゲーロの北側にある美しい海岸地帯で2本のステージを各2回走行。全19本のSSの合計距離は310.52km、リエゾンも含めた総走行距離は1383.64kmとなる。

1週間のインターバルを置いて開催されたラリーアルゼンチンとラリーチリと同様、ラリーポルトガルとラリーイタリアも「リンクドラリー」と定義され、ワークスチームの選手は、ポルトガルの最終SSを走り終えたクルマでサルディニアを戦わなくてはならない。シャシー、エンジン、トランスミッション(スペアも含む)は、ポルトガルで使ったものをサルディニアで再使用するため、2戦を考えたマネージメントが求められる。

トミ・マキネン(チーム代表)
「スムーズな路面のチリで良い結果を得ましたが、次の2戦、特に第8戦サルディニアは荒れた路面での戦いとなります。その時々のコンディションによっても違いますが、通常ポルトガルの路面はそれほど悪くなく、むしろハイスピードで良い状態で走れることの方が多いラリーです。金曜日はアルガニルの周辺でステージが行われますが、あの辺りは私が優勝した2001年を最後に使われていなかったので、ドライバーにとっては初めて走るステージとなります。ラリーのオーガナイザーはいろいろなタイプの道を使えるので、選手たちは挑み甲斐があります。我々は、荒れた路面でのクルマの性能改善に一生懸命取り組んできました。そして、数日前にポルトガル北部で充実した内容のテストを実施し、来たるべきイベントに向けて良い準備ができました」

オィット・タナック
「次の2戦はどちらも好きなラリーですし、自分にとって特別な意味を持つイベントです。ポルトガルは初めて出場したWRCイベントであり、サルディニアは初めてポディウムに上がり、初めて優勝を果たしたラリーでもあります。いずれも非常に高速なステージが含まれますが、それだけでなく、昨年我々が体験したようなとても荒れたステージもあります。チームは一生懸命仕事に取り組んできたので、準備は万端だと信じています。チリでの優勝は非常に重要な意味を持ち、タイトル争いの最前線に戻ることができました。次の2戦で多くのポイントを獲得するため、高い集中力を維持して戦いに臨みます」

ヤリ-マティ・ラトバラ
「ポルトガルのステージはいつも、アルゼンチンの砂が多い道を思い出させます。とはいえ、路面はアルゼンチンほど荒れていません。今年は金曜日に、1980~90年代に人気のあったアルガニルのエリアを走行します。あの辺りは根石が埋まっているような道が多く、タイヤに厳しいのが特徴です。一方、サルディニアの道はベースとなる部分が硬く、道幅は狭く、両脇に転がる多くの石を避けて走らなければなりません。先週末のテストはとても上手く行き、荒れたコンディションでクルマはさらに進化したと思います。我々には強くて速いクルマがありますので、これからの2戦がとても楽しみですし、自信もあります。久々に表彰台に復帰できることを期待しています」

クリス・ミーク
「ラリーポルトガルをとても楽しみにしています。良く知っているイベントですし、2016年には優勝し、その後も2年連続でラリーをリードするなど、常に強さを示してきました。一方、サルディニアはここ数年はあまり出場していませんでしたが、昔からそれなりに知っているラリーです。今季、ここ数戦は、フラストレーションが溜まるイベントが続きました。表彰台に立てるだけの速さはありましたので、その速さを良い結果に繋げることに集中しなければなりません。今週月曜日に行ったテストは良い内容でした。少しでもクルマを良くしようと力を尽くしてきたので、それがこれからの数戦で結実することを願っています」



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