ERC第3戦ラリーリエパヤ(グラベル)は5月26日、ラトビアで競技最終日となるレグ2に設定された8SS・106.50kmの走行が行われ、ERC1ジュニアのデビュー戦に挑んだオリバー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTi R5)が、初の総合優勝を飾った。17歳のオリバーは、設定された13SS中、10本でステージウインを獲得し、ERCの優勝最年少記録を更新した。
現ERC王者のアレクセイ・ルキヤナク(シトロエンC3 R5)に9.7秒差をつけてトップで迎えた最終日、ソルベルグはその差を最終的に22.7秒にまで広げた。
「人生の中で最大の日だよ」と喜びを見せるソルベルグは、日本でも大人気の2003年WRCチャンピオンのペター・ソルベルグを父に持つ。「これほどうまく走れたことはなかった。何と言っていいか分からない。信じられないよ。理解できない。本当に完璧なラリーだった。最終2本目のステージは慎重になり過ぎて、ドライビングが固くなってしまった。それから、今回ここまでやってきたように走ってみようと思い、全開で行った。そして最終ステージでベストを獲った。本当にうれしいよ」
ルキヤナクは、SS9とSS12でベストタイムを叩き出したが、序盤2戦をリタイアで終えているだけに、完走しなくてはならないプレッシャーを感じていたと明かしている。
3位にもERC1ジュニア勢が食い込み、地元リエパヤ在住のマルティン・セスク(シュコダ・ファビアR5)がR5での初ラリーをポディウムフィニッシュで飾った。そのセスクと3位争いを演じたERC1ジュニアの選手権リーダー、クリス・イングラム(ファビアR5)は、最終2本目のステージでラジエターに穴が開くトラブルに見舞われた。最終SSの前に自力で修復を施し、総合4位でのフィニッシュが精いっぱいとなった。しかし、ERC1ジュニア首位のリードを広げるとともに総合タイトルでも、今回のリエパヤで5位フィニッシュとなった選手権リーダーのルーカス・ハバイ(ファビアR5)との差をわずか1ポイントにまで詰めた。今年のERCは、開幕3戦でそれぞれウイナーが異なる混戦となっている。
チームSTARDから今季最初のERC参戦に臨んだ新井大輝は、前日は5番手相当のタイムをマークしていたが、リモートサービスのTCアウトが遅れたことでペナルティを受け、この日は8番手からスタート。午前中は、C3 R5がリエゾンでもSSモードに切り替わってしまうトラブルに悩まされた。午後には一時、7番手まで順位を上げたが、総合11位から猛烈な追い上げを見せていたマリヤン・グリエベル(ファビアR5)に最終2本目のステージでかわされ、8位でフィニッシュした。
ERC2は地元ラトビアのラルフ・サーマキス(三菱ランサーエボリューションX)、ERC3ジュニアはケン・トーン(フォード・フィエスタR2T)が、それぞれ前日からの首位を守り切ってフィニッシュを果たした。
ERCの次戦、ラリーポーランド(グラベル)は6月28−30日、ポーランドの首都ワルシャワの北部、ミコワイキ周辺で開催される。
ERCリエパヤ 最終結果
1. O.ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTi R5) 1:40:31.9
2. A.ルキヤナク(シトロエンC3 R5) +22.7
3. M.セスク (シュコダ・ファビアR5) +57.4
4. C.イングラム(シュコダ・ファビアR5) +1:16.8
5. L.ハバイ(シュコダ・ファビアR5) +2:17.7
6. F.マレス(シュコダ・ファビアR5) +3:02.4
7. M.グリエベル(シュコダ・ファビアR5) +3:32.0
8. 新井大輝(シトロエンC3 R5) +3:36.5