プジョー・スポールのディレクター、ブルーノ・ファミンが、ジュネーブを拠点とするFIAスポーツ部門のオペレーションディレクターに就任した。2012年以来、努めてきたプジョー・スポールのトップとしての役職は、フランソワ・ウェールズが引き継ぐ。
WRC第7戦ラリーポルトガルのエントリーリストをFIAが承認したのは、エントリーが締め切られてから22日間も経過してからのことだった。メディア露出の面でも大きな痛手を被るほど遅れたのはなぜだったのか、ようやく判明した。ヒュンダイ・モータースポーツが、アンドレアス・ミケルセンに換えてセバスチャン・ローブを走らせるためだった。通常、エントリーが締め切られた後は、クルーメンバーについては不可抗力の理由以外は変更は行われず、あとはFIAが認めた場合に限られる。
ここ何年も、FIA自身によるルールや関連書類の発行手順が緩くなっていることで、FIAがエントリーリストを承認するまでの時間は長くなる一方だ。文書発行のための手順に関するルールは、公式には書類化はされていない。
WRカー参戦関連のニュースをいくつか。
フィンランド選手権リーヒマキラリーにWRカーで参戦した、ヒュンダイの育成ドライバー、ヤリ・フッツネンはマシンについて「このマシンは、少年のためのものではない、男性のためのものだ。プッシュするための覚悟があれば、完璧に走る」とコメントした。
WRCポルトガルでMスポーツからWRカーデビューを果たすガス・グリーンスミスは「この10年間、この時のために生きてきた。この山を登るための準備はできているよ! ドライブする時はスマイルが止まらないだろうね」
そして、サルディニアで再びトヨタからWRカーでエントリーすることになったユホ・ハンニネンは「この決定は本当に驚いた。昨年のGBで、自分がWRカーで参戦するのはこれが最後になるだろうと思っていた。どうなっているんだろうという思いも少しある。プレッシャーなく走るのは、本当にうれしいね。以前は、結果を出さなくてはならないという重荷を背負っていた。いつもそれを、ひどいプレッシャーにしてしまっていたよ」
ヒュンダイ・モータースポーツでは、ミシェル・ナンダンに代わってアンドレア・アダモがチーム代表に就任してから、意識が新しくなっている。1月にバーミンガムで行われたWRCローンチで登場した直後から、アダモの影響は表れ始めた。フィンランドまでには新しいエアロが導入されることが見込まれているが、メディアに対してチームの開発に関する技術情報は与えられていない。チーム上層部の公式な役職名についての問い合わせにも、回答は得られなかった。スポット参戦のドライバーとしてセバスチャン・ローブが加わったことで、イベントのドライバーノミネートの決定が遅くなり、ヘイデン・パッドンのワンオフ参戦のオファーも始まっていたが、これはパッドンが辞退している。
WRCマニュファクチャラーズタイトル獲得に向けて全力投球の体制を取らなくてはならないというプレッシャーの中、ドライバーズラインナップからはポリシーが思慮に欠けていることが見てとれ、ダニ・ソルドも含めまとまりがないことは公然の事実だ。ポルトガル戦でミケルセンに替えてローブを起用するという決断を下したのは、アルゼンチンで2位フィニッシュしてから3週間後のことだった。ヒュンダイの意識はシーズンの残りのイベントに専念している。現在、ヒュンダイはトヨタに対して29ポイント差をつけての首位に立っているが、ドライバーズ選手権でヌービルは、オジエ、タナックに続く3位だ。ローブの今年の参戦契約はあと一戦だけで、フィンランドへの参戦は家族との休暇のために辞退している。フィンランドといえば、ヒュンダイ・モータースポーツが現状、苦手としているイベントなのだが。
(Martin Holmes)