WRCイタリア:パワーステージでタナックにまさかのトラブル、ソルドが再逆転で優勝 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCイタリア:パワーステージでタナックにまさかのトラブル、ソルドが再逆転で優勝

©Hyundai Motorsport GmbH

WRC第8戦ラリーイタリア・サルディニアは、6月16日に全SSの走行が終了し、波乱の展開の末にヒュンダイのダニ・ソルドが2013年以来となるWRC優勝を飾った。ソルドにとって自身2度目の勝利、今シーズン初めてのポディウムフィニッシュとなった。

この日行われたのはSS16〜SS19の計4SS。14.06kmのCALA FLUMINIと、6.89kmのSASSARI-ARGENTIERAを2回ずつ走行する計41.90kmと、残る走行距離は短い。パワーステージには、最終SSとなる2回目のSASSARI-ARGENTIERA(SS19)が指定された。

前日首位に浮上したのは、トヨタのオィット・タナック。2番手につけていたソルドに25.9秒差を築いてこの日を迎えた。一方のソルドは、前日猛追されたタナックのペースについていけず、確実にポディウムフィニッシュを射止めるという意向を明かしている。チリから続く3連勝、シーズン4勝目が懸かるタナックも、手堅い走りで3本のステージをクリア。両者の差は26.7秒と大きく変わることなく、運命の最終パワーステージを迎えた。

このパワーステージでは、4番手Mスポーツ・フォードのエルフィン・エバンスまで5.9秒差で迎えていたヒュンダイのアンドレアス・ミケルセンが、会心の走りを見せてベストタイムをマーク。対するエバンスは、ステージ終盤で失速。5番手タイムでボーナスポイント1を獲得したものの、0.9秒差でミケルセンの逆転を許してしまった。

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続いて登場したMスポーツ・フォードのテーム・スニネンは7番手タイムに留まるものの、総合3位は堅守。ヤルモ・レーティネンを新コ・ドライバーに迎えた初めてのラリーで、今季初ポディウムが確定した。

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その後に走行したソルドも9番手タイムとポジションキープモード。これで優勝の行方はほぼ決まったかのように思われたが、そのタナックはこのパワーステージでパワーステアリングにトラブルを抱え、まさかのスロー走行を強いられてしまった。これで2分以上のロスとなった結果、ソルドが思いがけず優勝に繰り上がり、スニネンも自身ベストリザルトとなる2位でのフィニッシュに。さらにパワーステージでの激走が功を奏したミケルセンも3位でポディウムに上がり、ヒュンダイが1−3フィニッシュを飾ることとなった。

パワーステージでは、初日のミスで早々に上位争いから脱落していたセバスチャン・オジエが2番手タイム、ティエリー・ヌービルも3番手タイムでそれぞれボーナスポイントを獲得。しかし、タナックがヌービルより1つ上の5位でのフィニッシュとなったことから、ドライバーズ選手権では皮肉にもタナックが首位に浮上している。4ポイント差でオジエが2番手、さらに3ポイント差でヌービルが3番手に続いている。マニュファクチャラーズ選手権では、首位ヒュンダイがトヨタとの差を44ポイントに広げている。

WRC2プロは、シュコダ・ファビアR5エボのカッレ・ロバンペラがリードを守り切って今季3勝目。WRC2は、勝田貴元が前日を終えて首位に浮上していたが、この日2ループ目に入る前のリグループでオイル漏れにより小さな出火が発生。ここでリタイアとなった。この結果、勝田と首位争いをしていたピエール‐ルイ・ルーベが部門優勝を飾った。

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次戦は1ヶ月半のブレイクを挟んで、8月1〜4日に開催される第9戦フィンランド。選手権屈指の高速グラベルで、ドライバー本来の技量が試される山場の一戦を迎える。

WRCイタリア 暫定結果
1. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) 3:32:27.2
2. T.スニネン(フォード・フィエスタWRC) +13.7
3. A.ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) +32.6
4. E.エバンス(フォード・フィエスタWRC) +33.5
5. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) +1:30.1 
6. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +2:06.7
7. E.ラッピ(シトロエンC3 WRC) +2:59.6
8. K.ミーク(トヨタ・ヤリスWRC) +4:40.1
9. K.ロバンペラ(シュコダ・ファビアR5エボ) +8:24.6
10. J.コペッキー(シュコダ・ファビアR5エボ) +8:49.2

19. J-M.ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +20:36.0
42. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) +1:22:58.5



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