全日本ラリーカムイ:新井大輝、危なげなくシーズン2勝目を獲得 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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全日本ラリーカムイ:新井大輝、危なげなくシーズン2勝目を獲得

©Naoki Kobayashi

全日本ラリー選手権第6戦ラリーカムイは7月7日(日)にすべての競技日程を終えて、スバルWRX STIの新井大輝/小坂典嵩が優勝、2位には同じくスバルWRX STIの鎌田卓麻/鈴木裕、3位には三菱ランサーエボリューションXの奴田原文雄/佐藤忠宜が入った。

この日行われたのはSS7〜SS10の4SS、60.44km。ラリー最長の23.09km『ORCHID』がSS8/10に設定され、多くのドライバーはここが勝負どころと目していた。天候は大きく崩れることなく、前日に引き続きドライ路面での戦いに。前日トップに立った新井大輝は砂利掻き役を担うこととなり、そのタイムにも注目が集まった。

JN1クラスポディウム / Hiroaki Ibuki/RALLY PLUS


JN1クラスはオープニングのSS7から波乱の幕開けとなった。2番手の鎌田がタイヤをパンクさせて大きくタイムロスを喫し、3番手に後退。代わって勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が2番手に浮上した。また、4番手の新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)は、初日最後のサービスでタービンを交換し追撃体制を整えて臨んだが、ダストに視界を遮られてコースアウト。あえなくリタイアを喫している。これで前日5番手の柳澤宏至/保井隆宏(スバルWRX STI)が4番手に繰り上がった。続くSS8では奴田原が柳澤をかわして4番手に浮上。午後のセクション最初のSS9では、なんと勝田が新井と同じコーナーでコースアウト、ラリー続行を諦めることとなった。これで2番手には鎌田が再浮上、奴田原は3番手、柳澤は4番手と、順位をひとつずつ繰り上げた。後続の入れ替わりを尻目に、首位の新井大輝は安定したタイムでトップの座を堅守。細かな車両トラブルはあったものの、盤石と言っていいラリー運びで今シーズン2勝目を獲得してみせた。新井大輝はラリーを振り返って次のように語っている。
「先頭走者で大変だった部分もありますが、パンクや大きなミスもなく、走り切れて優勝できました。先週のポーランドの経験が活きていることと、自分のなかでレベルが上がったのが確認できたので、その点はとても良かったと思います」

JN2クラス優勝の上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ) / Naoki Kobayashi/RALLY PLUS


JN2クラスは上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)が今シーズン初優勝を達成した。2位はGT86 CS-R3で出場したヘイキ・コバライネン/北川紗衣、3位には今回からドグミッションを投入した眞貝知志/安藤裕一(TGR Vitz GRMN Rally)が入っている。前日トップの上原はこの日序盤からスパート。3SS連続でベストタイムをマーク、最終SSはペースを上げたコバライネンが制したが、48.6秒差で今季初勝利を飾ってみせた。
上原は、「コバライネン選手も眞貝選手も速いので、今日も真剣に走りました。勝因はクロスミッションをいれてクルマが速くなったことが一番ですかね。ここの林道にぴったり合っていて、いいタイムをマークすることができました。次戦は横手ですが、昨年地区戦に出た時、あまりの暑さにアタマがボーッとしちゃって。熱中症対策をしっかりやっていこうと思います」とコメント。次戦に向けての意気込みを語った。

JN3クラス優勝の山本悠太/山本磨美(トヨタ86) / Jun Uruno/RALLY PLUS


JN3クラスは山本悠太/山本磨美(トヨタ86)が今季4勝目。2位には大竹直生/竹下紀子(トヨタ86)、3位に山口清司/島津雅彦(トヨタ86)が入っている。初日を終えた段階で、首位山本と、2番手につける曽根崇仁/竹原静香の差はわずかに6.6秒。この日午前中の2SSではベストを分け合う接近戦を展開していたが、SS9では山本がベストタイムをマークして突き放しにかかる。そして迎えた最終SS、曽根はなんとドライブシャフトを破損しリタイアを余儀なくされ、最終SSも一番時計でまとめた山本が勝利を飾ることとなった。これで3番手の大竹、4番手の山口はそれぞれ繰り上がって2位、3位フィニッシュとなっている。
山本は開口一番「疲れました(笑)」とひと言。「接近戦が続いていて、最終的には曽根さんがリタイアしてしまったのですが、破綻することなく順調に走れた点は良かったです。今年これで4勝目と順調に進められているので、この調子を崩さないように続けていきたいと思います」とラリーを振り返った。

JN4クラス優勝の関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ) / Naoki Kobayashi/RALLY PLUS


首位の関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ)を2番手の香川秀樹/松浦俊朗(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)が13.9秒差で追う展開となっていたJN3クラス。オープニングのSS7ではエンジンにトラブルを抱えた関根を尻目に香川がベストタイムをたたき出し、その差を8.6秒に縮める。しかし香川は続くSS8でリタイアの憂き目に遭うことに。これで2番手に古川寛/大久保叡(スズキ・スイフトスポーツ)、3番手に高橋悟志/古川智崇(スズキ・スイフトスポーツ)が繰り上がる。さらにSS9では高橋が渾身の一番時計で古川を逆転。高橋は最終SSでも古川のタイムを上まわり、2位の座を確実なものとした。関根はこれでグラベル2連勝。
「エンジンが少しトラブってしまったのでヤバいなと思ったんですが、香川選手がいなくなってしまいましたね。トラブルは完治とはいきませんが、だいぶ改善はしたので、2ループ目はタイムを出すことができました。次戦も勝ってようやく予定どおりというくらいです。落とせないラリーが続くので、この後も頑張ります」

JN5クラス優勝の天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR) / Jun Uruno/RALLY PLUS


天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR)の横綱相撲ともいうべき展開となったJN5クラス。天野はすべてのSSでベストタイムをマークする盤石の強さで今季5勝目を達成してみせた。2位は岡田孝一/石田一輝(マツダ・デミオ)、3位には松原久/和田善明(マツダ・デミオ)が入っている。
天野は「最終日のセクション3でセッティングをミスってしまい、今ひとつ乗り切れずに総合順位を下げてしまったのですが、JN5クラスのなかでは全部のSSでベストを獲れたので、前回の雪辱にはなったかなと思います」とラリーを振り返った。いよいよチャンピオン争いも見えてくる次戦については、「次のラリーは新しいので非常に楽しみです。できればドライで、いい天気のもと走りたいですね。大倉選手と眞貝選手、ヴィッツ勢が全員次で王座を決めたら、めでたい日になりますね」とコメントしている。

JN6クラス優勝の大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT) / Tadayoshi Nakajima/RALLY PLUS


JN6クラスは大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)が破竹の6連勝を達成。有効戦数は6戦だが、ポイント係数の関係もあり、チャンピオン決定は次戦以降に持ち越しとなった。2位は中西昌人/福井林賢(マツダRX-8)、3位にいとうりな/大倉瞳(トヨタ・ヴィッツCVT)が入っている。中西は初日、リヤサスペンションのダンパーにダメージを受けていたものの、最終日朝のサービスで交換。完調ではないものの、いとうりなの追撃を振り切って2位フィニッシュを果たした。大倉は危なげなくリードを拡大、途中からはラリー北海道を見据えた新ダンパーを投入するなど、大きな収穫のある1戦となった。
「非常に面白いラリーでした。例年このカムイはいい道で、攻めがいがあります。特にペースのコントロールはせず、最後まで踏み切ろうと決めて走りました。次戦の横手は初めてなのですごく楽しみです。道もいいという話を聞いているので、今回と同じように気持ちよく走れればと思っています」と、大倉は次戦に向けての意気込みを語っている。

次戦は今年からカレンダー入りした「横手ラリー2019」。7月25日(木)〜28日(日)にかけて、秋田県横手市を中心に開催されるグラベルラリーだ。計12SS、総SS距離は114.60kmとなっている。

全日本ラリー選手権第6戦 ARKラリー・カムイ 正式結果
1. 新井大輝/小坂典嵩(スバル・インプレッサWRX STI) 1:27:19.9
2. 鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI) +52.8
3. 奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX) +1:09.9
4. 柳澤宏至/保井隆宏(スバルWRX STI) +1:27.7
5. 福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューションX) +2:36.5

10. 上原 淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビックタイプR) +7:11.7
13. 関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ) +8:52.2
14. 山本悠太/山本磨美(トヨタ86) +9:43.1
15. 大倉 聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT) +10:07.5
16. 天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ) +10:12.3



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