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メキシコ4日目:ローブ今季2勝目。ラトバラは横転

 

 3月11日のラリーメキシコ最終日は、本来ならば大きなドラマが起こることなく終わる予定だった。トップ5の選手はそれぞれ前日までの順位をキープすると宣言。合計4本、74.76kmのステージは退屈な展開となることが予想された。

 しかし、首位を独走するセバスチャン・ローブは「サービスをはさむことなく4本のステージを走り、そのうちSS22は54.30kmというとんでもない長さのステージだ。気が抜けない」と、慎重な姿勢で競技最終日に臨んだ。
 しかし、世界王者が危惧していた事態に直面したのはローブ本人ではなく、2位のミッコ・ヒルボネンでもなく、大きく遅れて3位につけていたヤリ‐マティ・ラトバラだった。

 短距離のSS21に続くSS22、54kmの「グアナファト」で、安泰かと思われたラトバラの3位表彰台は幻となった。11番手スタートのラトバラは順調に走行を続けていた。しかし、高速コーナーの途中でクラッシュしていたエフゲニー・ノビコフのマシンを見てラトバラは動揺した。回避操作を行なうべく強めのブレーキングを行なったところマシンはスライドをはじめ、バンクに当たりフィエスタRS WRCは横転。ベストタイムのヒルボネンから7分20秒以上遅れてフィニッシュを通過した。

 ラトバラは競技を続行すべくマシンの修復を試みたが、ロールケージに破損が発見されリタイアに。開幕戦モンテカルロと同じくノーポイントという最悪の結果に終わった。

 ラトバラが消えたことで4位のソルベルグが3位に浮上。2位ヒルボネンとは1分37秒0と大きく離れているため、ソルベルグは追撃をせずタイヤを最終SSのパワーステージに温存することにした。そして迎えたファイナルステージのSS24、ソルベルグは狙いどおりトップタイムを刻み、ボーナスポイント3点を獲得した。
 パワーステージでセカンドベストのローブは、最終的に2位ヒルボネンに42.4秒差をつけてメキシコ6連勝を達成。
 4位にはマッズ・オストベルグ、5位にはオィット・タナック。タナックは競技2日目、フォードのオーダーによりソルベルグにポジションを譲ったが「いつか絶対にソルベルグを倒す」と、不敵な笑顔でメキシコを後にした。



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