7月27日〜28日にかけて、秋田県横手市で開催された横手ラリー2019に参戦したドライバー、およびチーム監督に、11月に開催される「セントラル・ラリー愛知/岐阜 2019」への出場/不出場の意向を聞いた。
同ラリーは、2020年のWRCラリージャパンのテストイベントと位置づけられるイベント。WRCラリージャパンの開催を想定して、愛知県長久手市の愛・地球博記念公園(モリコロパーク)を拠点として愛知・岐阜の両県で行われるターマックラリーだ。勝田貴元がトヨタ・ヤリスWRCで参戦すること、ヒュンダイ・モータースポーツが来日し、i20クーペWRCを走らせることが先日発表されており、ラリーファンからは大きな関心を寄せられている。
その一方で、ラリーの詳細については現時点ではまだ明らかになっていない。同じ週末に岐阜県恵那市で開催されるL1ラリー in 恵那と一部のSSを共有すること、およびアルペン・クラシックカー・ラリーが同時開催されることが判明している程度だ。全日本ラリー選手権を追う選手たちにとっては、最終戦福島(グラベル)の1週間後ということや、スポンサーとの折衝等、準備に時間がかかることを懸念する声も聞かれる。開催時期も近づき、選手たちの間でも大きく意見が割れているのが現状のようだ。
7月30日追記:7月30日(火)にWRC招致準備委員会のウェブサイトにラリーガイド1発行の旨が掲載された。
http://www.wrc-jpn.com/
<選手編> ※掲載は横手ラリーのカーNo.順
■奴田原文雄(#1 ADVAN-PIAAランサー)
現時点ではまったく未定ですが、クルマを用意してくれる人がいるなら出たいと思っています(笑)。僕自身の予算はないのでオファーがあれば乗りますよ。
■新井敏弘(#2 富士スバルAMS WRX STI)
メインスポンサーのスバルさんが出なさいと言えば出る感じかな。なので未定です。
■新井大輝(#3 ADVAN KYB AMS WRX)
今年はカツカツでやっているのでちょっと予算がないです。いまのところは未定ですね。
■勝田範彦(#4 ラックSTI名古屋スバルDL WRX)
気にはなっているんですが、現状は未定ですね。ウチ(モンテカルロ・オートスポーツクラブ)の主催ラリー(L1ラリー in 恵那)と重なっているので、そのあたりがネックになる気がします。
■鎌田卓麻(#5 itzz DL SYMS WRX STI)
もちろんラリージャパンを開催するにあたって、ラリーを盛り上げるという観点では出たいと思っていますが、まだまだ不透明な部分も多いですからね。車両規定にしても、僕らのクルマはWRCの選手権クラスには出られませんし、その辺がすべてクリアにならないと出ますとは言いにくいかなと思っています。1戦分の予算を増やさなければなりませんし、その辺はスポンサーさんとの相談もありますが、できればラリーを盛り上げるためには出たいと思います。
■福永修(#7 555☆OSAMU・F☆DLランサー)
いま持っているファビアR5が走れたら出たいと思います。まだナンバーがとれていませんが、先日のモントレーにヘイキ・コバライネン選手が出たように、臨番(自動車臨時運行許可、仮ナンバー)で出られるのであれば出たいですね。せっかく世界基準のクルマがあるし、R5のようなクルマが出ないと、やる意味もないような気がするんですよね。せっかく勝田貴元選手が出るとプレスリリースしているわけだから、僕らのファビアとかも走れる環境を作ってもらわないと。僕ら選手はクルマを用意することはできるけど、走っていいかどうかは最終的に行政の判断だと思うので。それが走れるのであれば出ます。それを早くリリースしていただけないと、こちらも準備ができない。それまでに車検がとれるよという保証もないですしね……。出たいのは出たいと思っています。せっかくクルマがあるんですから。
■眞貝知志(#9 TGR Vitz GRMN Rally)
いま言えることは、おそらく僕がラリーストとして育ったフィールドそのもので行われるラリーになるので、出ないわけにはいかないと思っています。ここで世界のドライバーたちと腕試ししたいなという気持ちがあるので、出たいと思います。
■上原淳(#10 DL・ラカリテ・シャフト・シビックユーロ)
いまのところは参戦はしない予定です。冬はインフルエンザが流行るので患者さんの数も多くて、ちょっと忙しくてそこは行けないと思うな(編注:上原選手は救急クリニックの院長)。2週連続で休むのは厳しいですね。
■竹岡圭(#13 圭rp・YOKOHAMA・PoloGTI)
以前のWRCラリージャパンは盛り上がったし、私も観に行ったりしました。だからもう一度日本に来てもらいたいという思いがあるので、ぜひたくさんの方が参戦してお客様を呼んで、告知をして、ラリーに興味のなかった方も来てもらえるよう考えて、ラリージャパンを迎え入れられるように盛り上げられればいいなと思っています。資金的には超ツラいんですけど、私は出るつもりです。ラリージャパンに来てもらいたいし、ラリーやモータースポーツを文化にしたいという気持ちでこのチームを立ち上げたので。WRCとなれば観てくれる方も増えると思いますし、ここで盛り上げなければと思うんです。
■ヘイキ・コバライネン(#14 AICELLOラックDL速心GT86 R3)
アイセロチームとしてエントリーする計画があると聞いているよ。牧野タイソン監督はまだ、どのマシンで参戦するかは分からないとのことだけれど、僕がドライブすることも決まっている。SUPER GTのシーズンが終わった後も日本にしばらく残るということだね。まだラリーについてのインフォメーションは何もないんだ。つい先日、『興味があるなら、出てみないか?』って、チームからオファーを受けたばかりだからね(笑)。チームとしてはWRCラリージャパンに出るというプランもあるし、僕も出られればと思ってる。すごく楽しみだよ。
■山本悠太(#16 Sammy☆K-one☆ルブロスYH86)
ラリージャパンが開催されるとすれば、チームとしても出場したいと思っています。開催が決まった場合は、セントラルラリーに出るか出ないかというのは大事なことになってくると思いますから。チームとしては出られるのであれば出たいと思っています。スケジュール的にはタイトですが、出場する意向ではあります。そのためにも早く詳細が明らかになるといいですね。
■高橋悟志(#24 ミツバitzzマジカル冷機スイフト)
出てみたいですが、福島まで全日本に出る予定なので、それ次第かもしれませんね。
■天野智之(#31 豊田自動織機・DL・ヴィッツ)
正直言うと未定です。詳細がまだしっかり分かっていないので、計画を立てられない状態です。ほかの全日本イベントとの兼ね合いもあるので、出ますと明言できる状態ではありません。
■岡田孝一(#32 キーストーンナビゲータDLデミオ)
どんなイベントなのか、その辺の詳細がまだ分かりませんが、ラリーファンのために盛り上がっていくのであれば、行きたいと思っています。あとは僕たちのクラスがどうなるかですね。
■石川昌平(#34 ARTAオートバックスGRヴィッツ)
うちのチームは今のところ出ない予定です。前週の全日本ラリーが福島ということも大きいですね。もう少し期間が開いていたら分かりませんでしたが。個人的には走ってみたいと思いますね。
■大倉聡(#36 アイシンAW Vitz CVT)
出てみたいですね。選手としては非常に興味深いですし、ラリージャパンにつながる道なのだと思います。ただ、AWラリーチームに所属している以上はアイシンAWさんの意向次第ですね。もちろん出ろと言われればその準備は万端整っております(笑)。ただ、地方選手権やL1ラリーと日程がかぶっているので、早めに動かないとならないとは思っていますが、詳細が……。
■いとうりな(#37 YHブリッドAWオクヤマVITZ)
まだなにも詳細な情報が来ていないので、参戦するかどうかは未定ですね。
<監督編>
■長瀬努監督(CUSCO RACING)
現状CUSCO RACINGとしては、出る予定はありません。というのも、前々週にAPRCファイナルのチャイナがあって、そこにクルマを全部送ってしまっているので、時間的に戻すのは厳しいと思っています。ラリーはレッキも含め木曜くらいから始まるので、それにはちょっと間に合わないかなと。いまのところ全日本に出しているクルマを出す計画もないですね。
■兼重光宏監督(名古屋トヨペットNAVUL)
ぜひチームとしては参加したいと思っています。社内での調整もありますが、地元ですし、チームでは出たい。ですが、詳細が早めに分からないと準備もできないので……。いま全日本で走らせているヴィッツGRMNと86の2台ともが出られるよう準備したいと思っています。
■松井悠監督(WELLPINE MOTORSPORT)
出ようと思っています。クルマもいまのヴィッツCVTではなく、ヴィッツのR1かグループAかなと考えています。クルーは板倉麻美と梅本まどかのふたりを予定していますが、エントリーに国際ライセンスが必要かどうかが分からないので……主催者情報がもう少し出てほしいなと思います。