WRCは6週間のブレイクを終えて、2019シーズン第9戦、ラリー界で最も過酷なイベントの1つ、ラリーフィンランドからシーズンを再開する。
WRCが創設された1973年以来、カレンダーの一戦を務めるこのイベントは、以前は1000湖ラリーの名で知られていた。高速でスムースなグラベルステージでは、ドライバーの度胸とマシンのパフォーマンスが試される。ペースノートの正確性も重要となるため、いくつものジャンプやクレストが続くステージで全開のスピードを出すためには、コ・ドライバーの役目もこのラリーではいつも以上に重要となる。
シーズンが残り6戦となっても、ドライバーズ選手権はまだ緊張が張り詰めたまま。12ヶ月前のフィランドで見事な勝利を飾ったオィット・タナックは、前戦サルディニアを終えた時点でランキングトップに立っている。しかし、直近のライバル達との差は、ほんのわずか。セバスチャン・オジエ(シトロエン)は4ポイント、ヒュンダイのティエリー・ヌービルもさらに3ポイントしか離れていない。
現在、選手権4位につけているエルフィン・エバンスは、7月中旬に行われたラリーエストニアで背中を負傷しており、フィンランドを欠場。代替として、WRC2プロに参戦中のガス・グリーンスミスがフィエスタWRCをドライブする。またヒュンダイからは、クレイグ・ブリーンがスポット参戦。ヒュンダイからのWRC参戦は、これが初めてとなる。
ラリーの本拠地ユバスキラ出身、新進気鋭の若手カッレ・ロバンペラは、WRC2プロのランキングトップで母国戦を迎える。シュコダ・モータースポーツは、今回は全ドライバーがフィンランド出身。イーリック・ピエタリネンが2台目のファビアR5 Evoを駆る。Mスポーツは、新型フォード・フィエスタR5のWRCデビュー戦をフランスのエリック・カミリに託す。
同じくフランスのピエール・ルイ・ルーベは、WRC2にエントリー。ポルトガル、サルディニアと連勝を飾っており、フィンランドではアップグレードされた最新スペックのシュコダを駆る。立ち向かうのは、フィンランドの若手、ヤリ・フッツネン、エミル・リンドホルム、ロシアのニコライ・グリアジン。そして、日本の勝田貴元もWRC2に登場する。
ラリーフィンランドは、ジュニアWRCの第4戦(全5戦)。スペインのヤン・ソランスが選手権首位に立っている。
■ラリールート
今年のラリーフィンランドのルートは、2018年からわずかな変更しか行われていない。木曜日夜、ユバスキラで恒例のミックス路面、ハルユのステージで開幕。金曜日は合計10SSがユバスキラ西部を中心に設定。土曜日は、2014年以来の設定となるルースツを含め、合計132.98kmを走行する長い一日となる。日曜日はラウカア、ルーヒマキを2回ずつ走行する。
■ラリーデータ
開催日:2019年8月1日- 4日
サービスパーク設置場所:ユバスキラ
総走行距離:1.373,67km
総ステージ走行距離:307.58km(SS比率:22.39%)
総SS数:23
■開催選手権
WRC
WRC2プロ
WRC2
JWRC