WRC第9戦フィンランドは、すべての競技を終えてトヨタのオィット・タナックが今季4勝目を獲得。2位にはシトロエンのエサペッカ・ラッピ、3位にはトヨタのヤリ‐マティ・ラトバラが入った。ラトバラにとっては今シーズン初表彰台となる。
この日行われたのはSS20〜SS23の4SS、45.74km。サービスを挟まない設定で、最終パワーステージは3連ジャンプが有名なルーヒマキで行われる。この日のスタート時点で、首位のタナックと2番手ラッピの差は16.4秒、ラッピと3番手ラトバラの差は12.4秒。徐々に開きつつあるものの、ひとつのミスで順位は入れ替わる可能性もある。後方の4番手争いも熱を帯びており、4番手のアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイ)と5番手セバスチャン・オジエ(シトロエン)の差は2.6秒、オジエと6番手クレイグ・ブリーン(ヒュンダイ)の差は6.0秒という接近戦だ。
オープニングのSS20、ベストタイムをマークしたのは首位のタナック。このSSで2番手タイムをマークしたシトロエンのセバスチャン・オジエは、総合4番手のアンドレアス・ミケルセンとの差を1.0秒にまで削りプレッシャーをかけていく。続くSS21ではラトバラが存在感を見せるベストタイム。総合2番手を行くラッピとの差は7.3秒となった。SS2番手タイムはミケルセンが刻み、わずかながらオジエとの差を押し戻すことに成功した。ミケルセンとしてはヒュンダイ勢最上位として、なんとか4番手を守り抜きたい踏ん張りどころと言える。
SS22はそのミケルセンがベストタイム。1.0秒に縮まっていたオジエとの差を2.2秒に広げている。また、ここまで4番手争いに食らいついていたブリーンは、2分遅着による20秒ペナルティを科されて総合順位を7番手に下げ、チームメイトのティエリー・ヌービルと順位を入れ替え。ヌービルは6番手に浮上している。そして迎えた最終SSパワーステージはSS21の再走SS。タナックは堂々のベストタイムをマークして、フルポイントを獲得。昨年に続きフィンランドで連勝を挙げてみせた。SS2番手はヌービル、3番手にミケルセンとヒュンダイ勢が続くが、総合順位に変動はなく、1位タナック、2位ラッピ、3位ラトバラという結果となった。
これでタナックの通算勝利数は10。ポイントランキングでもさらにリードを拡大して、出走順による有利不利の少ないターマックラウンド・ドイツへと挑むこととなる。2位ラッピ、3位ラトバラの後ろには、4位を守り切ったミケルセン、5位にオジエ、6位にヌービルが名を連ねている。
次戦は8月22日〜25日の第10戦ドイツ。ヤリスWRCで出場する勝田貴元にも注目が集まる。
WRCフィンランド 暫定最終結果
1. O.タナック(トヨタ・ヤリスWRC) 2:30:40.3
2. E.ラッピ(シトロエンC3 WRC) +25.6
3. J-M.ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC) +33.2
4. A.ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC) +53.4
5. S.オジエ(シトロエンC3 WRC) +56.1
6. T.ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:32.4
7. C.ブリーン(ヒュンダイi20クーペWRC) +1:38.2
8. T.スニネン(フォード・フィエスタWRC) +2:33.8
9. K.ロバンペラ(シュコダ・ファビアR5) +7:54.1
10. N.グリアジン(シュコダ・ファビアR5) +10:28.7