今週開催されるWRCラリーGBで、負傷した背中の治療からエルフィン・エバンスが戦線に復帰するMスポーツ・フォード。エバンスにとってもチームにとっても母国戦となるイベントに、テーム・スニネン、ポンタス・ティデマンドを加えた3台のフォード・フィエスタWRCで臨む。
7月のラリーエストニアで負傷しWRCを3戦欠場したエバンスだが、完全に回復。ウェールズで丸1日かけてテストを行い、準備を整えた。スニネン、ティデマンドも、それぞれMスポーツの拠点がある英国カンブリア近郊の林道で1日ずつテストを実施している。
エバンスにとってウェールズ・ラリーGBは母国ラウンドである以上に、2017年にWRC初優勝を飾った深い思い出のあるイベント。ウェールズ出身ドライバーがWRCとして開催されたこのイベントを制したのは、この時が初めてだった。7月以来の実戦となるが、今回も地元の大観衆を沸かせる活躍が期待される。
「再び参戦することを心から楽しみにしている。特に、地元のウェールズだからね」とエバンス。
「このイベントは毎年、自分にとって一年のハイライト。ウェールズの旗の前でいい走りができれば、最高の気分だ。3カ月、実戦から離れていたが、自分のモチベーションはこれまでにないほど高まっている。テストも順調に進み、今週末のチャレンジに向けて準備はしっかりできた手応えがある。目指すのはいつものとおり、トップリザルトに向けてプッシュすることだ」
激戦となっているドライバーズ選手権4位への浮上も視野に入れるスニネン。昨年はポディウム争いにも絡んだラリーGBで、ベテランコ・ドライバーのヤルモ・レーティネンの指導のもと、さらに成長を続けている。
「大好きなラリーだし、これまでもいい成績を残している」と語るスニネンは、2015年のGBではWRC2での勝利を飾っている。
「昨年はステージの経験があまりなかったが満足できるパフォーマンスを見せられたし、リタイアするまではポディウム圏内につけていた。今年もそのパフォーマンスを見せて、チャンスがあればトップリザルトを狙っていきたい。テストで走ったステージは実戦よりも路面が硬かったが、いいセットアップができた。でも一番の試練は、睡眠不足かもしれない。夜は4、5時間くらいしか寝られないと思うし、リエゾンも長い。精神的にも体力的にもチャレンジングなステージだ」
ラリーGBでは、WRC2時代に3回参戦しているが、トップ2以上のリザルトは逃したことがないティデマンド。今回は、フィエスタWRCでの2度目のグラベル戦となるが、トップスペックマシンでも本領を披露したいところだ。
「ウェールズは大好きだし、自分のドライビングスタイルとも相性のいいラリー。過去もいい成績を残しているので、自信につなげられる」とティデマンド。
「ラリートルコの終盤はセッティングがあってきた手応えがあるし、思うような走りができた。テストもいい内容で終えられ、マシンもかなりしっくり来るようになってきた。今回はフィエスタWRCで2回目のグラベル戦なので、自分の成長を披露できればと思っている」