2019年WRCも残り2戦。全14戦中の第13戦ラリースペインは、カレンダー唯一のミックス路面イベントという独特のチャレンジが待っている。
サロウを拠点とするこのラリーの初日は、ほとんどがグラベル路。その後、メカニックが通常よりも長い時間が設定されたこの日の最終サービスで、残り2日間に向けてマシンのスペックをターマックに変更する。このため、ドライバーもドライビングスタイルを、レーシングサーキットのようだと表現される高速のリズミカルな舗装ステージに即座に対応させなくてはならない。
ラリーGBで今季6勝目を飾ったオィット・タナック(トヨタ)は、ドライバーズ選手権ではシトロエンのセバスチャン・オジエに対して28ポイントのリードを築いてスペインを迎える。タナックは、ここで勝利を決めれば、初の世界タイトルが確定する。ヒュンダイのティエリー・ヌービルも計算上はタイトルのチャンスを残しているが、タナックとの差は現在41ポイント差。一方、マニュファクチャラーズ選手権の争いはさらに激戦となっており、ヒュンダイのトヨタに対するリードは、現在8ポイントにまで詰まっている。
2018年のラリースペインの覇者、セバスチャン・ローブは、6月のポルトガル以来となるWRC参戦に挑む。ヌービル、ローブのヒュンダイのチームメイトは、地元スペインの人気ドライバー、ダニ・ソルド。また、日本の勝田貴元はトミ・マキネン・レーシングからトヨタ・ヤリスWRCでエントリー。WRカーでのWRC参戦は、今季のドイツに続いて2度目となる。
前戦GBでWRC2Proタイトルが確定したカッレ・ロバンペラは、シュコダ・モータースポーツのチームメイト、ヤン・コペッキーと参戦。Mスポーツからはガス・グリーンスミス、シトロエンからはマッズ・オストベルグがエントリーしており、選手権2位の座を巡る争いも加熱している。
WRC2選手権では、スタンディングスのトップ7が揃ってエントリー。首位に立っているピエール・ルーベは、タイトルライバルのベニート・グエラ、カエタン・カエタノビッチ、ニコライ・グリアジンに対するリードを守りたいところだ。GB戦でジュニアWRCタイトルを決めたばかりのスペインの成長株、ヤン・ソランスは、母国戦ではR5マシンにステップアップしてWRC2カテゴリーに参戦。2017年のジュニアチャンピオンである兄のニル・ソランスと直接対決に挑む。
■ラリールート
2002年以来、ラリースペインは、バルセロナから110km南下したサロウのリゾート地、コスタドラーダを拠点に開催されている。バルセロナでは、木曜日の夜、セレモニアルスタートが行われる。グラベル日となる金曜日は、イベント最長の38.85km・La Fatarella –Vilalbaを含む3本を2ループする設定。この日の夜にマシンの仕様をターマックに変更した後、土曜日は北部へ向かい、3SSを2ループ。この日の夜には、サロウのシーフロントにもステージが設定される。日曜日は、2SSを2回ずつ走る。La Mussaraは2014年以来の設定で、最終のパワーステージにも指定されている。
■ラリーデータ
開催日:2019年10月24-27日
サービスパーク設置場所:サロウ
総走行距離:1288.885km
総ステージ走行距離:325.56km(SS比率:25.26%)
総SS数:17
■開催選手権
WRC
WRC2プロ
WRC2