2020年開催に開催を予定しているWRCラリージャパンのテストイベント「セントラルラリー愛知・岐阜2019」は、11月10日(日曜日)に最終日の8SSを走行。国際格式部門はトヨタ・ヤリスWRCをドライブする勝田貴元/ダニエル・バリットが、2位の新井大輝/イルカ・ミノア(シトロエンC3 R5)に、3分50.0秒差をつけて優勝を飾った。
前日に続き、勝田貴元はすべてのSSでベストタイムをたたき出す、完璧な走行でラリーを走り切った。サービスパークに隣接する「SS10/SS11 Expo Short」では、集まった大勢の観客の大歓声を受けて、WRカーでの迫力ある走行シーンも披露している。
地元ラリーでWRカーでの優勝を手にした勝田貴元は、以下のように優勝の喜びを語った。
「狭くツイスティな日本特有の林道をWRカーで走ることは、難しい面もたくさんありました。チームに様々なフィードバックを持ち帰ることもできましたし、来年に向けて良い経験を積めたと思っています。そしてステージだけでなく、ロードセクションにもたくさんのファンが集まってくれたことも、本当に力になりました」
2位に入った新井大輝は、ミスのない走行で来年のWRCラリージャパンに向けて、シトロエンに貴重なデータをもたらした。
「今回乗ったシトロエンC3 R5はつるしのマシンですし、そこから色々なデータを持ち帰れたのではないかと思っています。タイヤも色々と試したので、ミッションは達成できたはずです。一番驚いたのは沿道で応援してくれる方が大勢いたこと。それが嬉しかったですし、一番の驚きでした」と、新井大輝はファンの盛り上がりに驚きを見せていた。
6分18.0秒差の3位はシュコダ・ファビアR5をドライブした福永修/齊田美早子。「色々とやるべきことはあるけど、やっぱりR5でのラリーは楽しかった」と、福永。2輪駆動トップは、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGT86 CS-R3)が手にしている。
「とてもいいラリーだったよ。いいタイムで走れたし、今回は自分のベストラリーだと断言できる。しかも、今回はJN1にも近いタイムを出せた。ドライで、ハイスピード、ワイドなステージであれば、上のクラスとも自信を持っていい戦いができる。来年はスーパーGTのカレンダー次第だけど、チームは色々と考えているんだ」と、コバライネンは笑顔で語った。
国内格式部門は、オープニングステージから首位を走行した鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI)が、一度もそのポジションを譲ることなく、2位の新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)に21.4秒差をつけて勝利を決めた。3位には58.7秒差で勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が入っている。
鎌田は、全日本ラリー選手権のシーズン中にドライターマックでのセッティングが決まったことが勝因だったと振り返った。
「今シーズン、全日本で勝つことができなかったから、最後に勝つことができてうれしかったです。来年WRCが来るにあたって色々課題はあると思うのですが、ここでWRCができる土壌があるというのは分かったし、コースもすごく魅力的なので来年が楽しみです」と、鎌田は笑顔を見せた。
SS8ではコースをロストしてしまった勝田範彦を新井敏弘がパスし、2位でラリーを走り切った。今シーズンは全日本ラリー選手権JN1クラスで王座を手にした新井敏弘だが、「コースが単調ではない分、クルマのセッティングが難しかったです。最後に勝ちたかったけど、仕方ないですね」と、新井は悔しさを覗かせた。
セントラルラリー 国際格式部門 暫定結果
1. 勝田貴元/ダニエル・バリット(トヨタ・ヤリスWRC) 32:53.7
2. 新井大輝/イルカ・ミノア(シトロエンC3 R5) +3:50.0
3. 福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5) +6:18.0
4. ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGT86 R3) +9:17.2
セントラルラリー 国内格式部門 暫定結果
1. 鎌田卓麻/鈴木裕(スバルWRX STI) 35:23.9
2. 新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI) +21.4
3. 勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI) +58.7
4. 西川真太郎/白水順一(スズキ・スイフト) +7:09.0
5. 山本悠太/山本磨美(トヨタ86) +7:22.3
6. 天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ) +7:23.5