12月4日にパリで行われたFIAワールドモータースポーツカウンシルでは、ラリー3の技術的な方針が承認されたことを受けて、2021年1月1日からの申請開始に向けて、ホモロゲーション規定の最初の案が提案された。
新しい4WDグループとなるラリー3は、シリンダーのキャパシティが927〜1620ccの範囲となり、適合の可能性を最大限に広げている。出力はシリンダー容量に依存することなく、210馬力を目標にリストリクターでコントロールされることになる。
FIAヨーロッパ選手権のERC3ジュニアでは、ピレリが2020〜2022年の3年間に渡り、唯一のタイヤサプライヤーとなる。
また、このほか地域選手権のスポーティングレギュレーションには、多くの変更が行われた。
ERCと中東選手権(MERC)では、選手権争いを簡素化し、スポーティングレギュレーションと足並みを揃え、シーズンの最終戦までタイトル争いを活性化させるために、全戦のリザルトが有効となる。ERCでは、コンペティターと主催者のコストを削減するために最大会期は縮小され、レッキを含めて4日間となる。
ラリー5のマシンは、ERC3ジュニアとERTジュニアのポイント対象として認められるようになる。
ヨーロッパ・ラリートロフィーでは、主催者が柔軟に対応できるようにし、コンペティターの参加を促すことを目指し、ターマック戦ではタイヤのハンドカッティングが認められるようになる。
アフリカ選手権、MERCでは、路面に合わせたT4クロスカントリーカー(旧T3シリーズ)が参戦対象となる。
地域選手権に参戦するラリー2マシンのために、旧パーツはジョーカーの申請を行った上で使用が可能になる(安全性や信頼性に関連するジョーカーは除く)。
なお、カウンシルでは2020年のERCカレンダーも正式に確定された。
2020年ERCカレンダー
第1戦 アゾレスラリー(ポルトガル、グラベル) 3月26-28日
第2戦 ラリーイズラズカナリアス (スペイン、ターマック) 5月7-9日
第3戦 ラリーリエパヤ (ラトビア、グラベル) 5月29-31日
第4戦 ラリーポーランド (グラベル) 6月26-28日
第5戦 ラリーローマ・キャピターレ (ターマック) 7月24-26日
第6戦 バルムチェコラリー・ズリン(ターマック) 8月28-30日
第7戦 キプロスラリー(グラベル) 10月9-11日
第8戦 ラリーハンガリー(ターマック) 11月6-8日