2020年シーズンに臨むTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのドライバーに話を聞く特別インタビュー企画。チーム最年少19歳で自身初のWRカーでのフル参戦に挑むカッレ・ロバンペラへのインタビュー後半は、今シーズン、ステアリングを握るヤリスWRCやチームメイト、WRカー初シーズンの目標などについて聞いた。
──デビュー前のヤリスWRCのテストカーに乗った経験があると思いますが、当時から比べ、いまとはどのように違いがありますか。
「違いは、ものすごく大きい。マシンはとても向上している。かなり前のことなので比べられるほど具体的には覚えていないが、いまの方がかなり速くなっていると思う。テストカーのドライビングも楽しめるものだったが、今回の方がずっといい」
──新しいマシンでは、どの点が一番気に入っていますか。エンジンパワーは? セバスチャン・オジエはトルクを挙げていました。
「自分の視点は少し違う。僕は、他のWRカーとの比較ができないからね。僕の比較対象は、R5になる。僕が気に入っているのは、ダウンフォースだね。それによってコーナリングスピードを高めることができる。エンジンのパワーと、トルクもとても優れている。様々なWRカーのなかでは、ヤリスのエンジンは長所なのだと思う」
──カーナンバー#69の由来を教えてください。
「特に大きな理由はないんだ。格好よく見えるからかな」
──初戦のモンテカルロはどんなアプローチで臨みますか。限界まで攻めるか、あるいはマシンに慣れるまで慎重に走るのでしょうか?
「モンテカルロは少し難しい。R5では出場経験があるが、WRカーでの参戦は初めてだ。自分は、クルマについて学ぶことに終始する。そして、週末を通じて大きなトラブルを避け、何とか生き延びることを優先する。とても難しいラリーだからだ。安全にフィニッシュできたらいいね」
──それでは、慎重なアプローチで臨むと。
「モンテを全開で走るのは、そう簡単にはできないしね! 僕はとにかく慎重にいかなくてはならない。そう思っていても、簡単ではないこともある」
──WRカー初シーズンだが、優勝や表彰台などを狙うラリーはありますか。2017年のエサペッカ・ラッピは、WRカー1年目にもかかわらずフィンランドで優勝しました。その再現は可能でしょうか?
「サマーブレイクの後あたりのタイミングで、もう少し速くなっていたらいいね。状況がうまく進み、僕らがマシンの速さを活かすことができれば、シーズン終盤、イベントによっては表彰台などを狙うのも可能かもしれない。特定のラリーでというわけではないが、もちろんラリーフィンランドでそうなればいいね。様子を見てみるよ」
──今回の契約は2年ということですが、2021年を見据えた取り組みということでしょうか。
「それが、チームの計画でもあるのだと思う。新しいマシン、新しいクラスに慣れるには時間がかかるというのは、周知の事実だ。だから準備には時間がかかる」
──6連覇王者のセバスチャン・オジエとチームメイトになりますが、どんな話をしましたか。どんなことを学びたいと思っていますか?
「マシンについて、何度か話はした。でも、ドライバー3人がまだあまりテストをしていないので、十分な話はまだできていない。ラリーの現場では、何度も話をしたことがある。ラリーでは、セブが行っていることからも学びたいと考えている。彼が何を選択するか、などについてね。同じチームだから、そういう点についても学んでいきたい」
(Interview/Keiko Ito)