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2020年ダカール:サインツがステージウインで反撃、アル‐アティヤとの差は18分に拡大

©Flavien Duhamel/Red Bull Content Pool

2020年のダカールラリーは1月15日、第10ステージのハラド〜シュバイタ間、534kmの走行が行われた。

ひとつのマラソンステージを、サービスメカニックのアシストなく2日間にわたって走り抜かなくてはならない今大会の山場。その前半部分では、カー部門の優勝争いに大きな動きが見られた。2番手で前回覇者のナッサー・アル‐アティヤとの差がわずか24秒にまで詰まって迎えたこの日、総合首位のカルロス・サインツが一気に巻き返しを図ったのだ。
「今日の午前は少しトリッキーだった。小さな砂嵐が起こり、視界が悪くなって難しかった。砂では大きなカットもあり、落ちやすく注意が必要だったが終盤はいい走りができた。ある通過ポイントが難しかったが、なんとか通過できた。すべて順調に進んだよ」と会心の走りを見せたサインツ。

一方、サインツとの差が18分にまで広がったアル‐アティヤは逆に、3番手につけるステファン・ペテランセルにわずか16秒差にまで詰め寄られてしまった。
「あるポイントで、2〜3分タイムをロスした。通過ポイントを見つけたあと道を間違えてしまい、20kmほど余計に走ってしまった。カルロスに対し19分ロスしてしまったが、仕方がない。明日も先が長いし、どんなことも起こり得る」とアル‐アティヤは連覇をあきらめてはいない。

Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

一方のペテランセルは「終わってみれば、チームとしてはいいステージになった。カルロスはナッサー・アル-アティヤとの差を大きく広げた。自分たちは道を開かなくてはならず、フィニッシュ手前で20kmほど道を見失った。ナッサーも一緒にいた。コースを見つけた時、カルロスとクバ(ライゴンスキー)が追いついたので、道を教えることになった」

Marcelo Maragni/Red Bull Content Pool

この日の夜はメカニックからのサポートを受けることはできず、マシントラブルはクルー自身で修復しなくてはならない。16日はマラソンステージの後半、シュバイタから再びハラドに戻る379kmとなる。

2020年ダカールラリー 暫定結果(第10ステージ終了後)
1 C.サインツ(MINIバギー) 37:15:37
2 N.アル-アティヤ(トヨタ) +18:10
3 S.ペテランセル(MINIバギー) +18:26
4 Y.アルラジ(トヨタ) +40:46
5 O.テラノバ(MINIラリー) +57:39

第9ステージ、トヨタ・ランドクルーザー200で参戦しているトヨタ車体のチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、クリスチャン・ラヴィエル/ジャン・ピエール・ギャルサン組、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組が、それぞれ総合28番手、31番手と順位を取り戻し、市販車部門での1−2体制を維持している。
悪路の難所をパンク1本のみで凌いだ三浦は「後輪のパンクでタイムロスしたが、クルマへのダメージは回避。それ以外は慎重に最後まで集中して走ることができた。SSのフィニッシュ地点は、周りに何もないところで、景色を観て圧倒された。明日からのマラソンステージは気をつけて行く」

日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組(HINO 500)は、この日はトラック部門13番手のタイムとなり、9番手との差は14分近くに広がったが、総合順位10番手は維持している。一方、「ダカールエクスペリエンス」制度を適応し賞典外で走行していた塙郁夫/塙雄大/毛塚麻由美組(HINO 600)は、ロールバーにヒビが見つかり、安全上の理由からハラドに到着した時点でリタイアを決断した。

悪路の中、マシンダメージを考慮してガマンの走りに徹したこの日の菅原は「堅い路面でペースを上げると車両へのダメージも予想され、埃も酷かったことから、今日は大事に走ることにした。勝負は明日からのマラソン行程。どれくらい砂があるのか分からないが、ベストを尽くす」と語った。
また、リタイアを決断した塙郁夫は「新しいラリーカーの製作に、試行錯誤やトラブルはつきもの。本番を走らないと分からないことも多い。砂丘が面白くなってきたところでのリタイアは残念だが、仕方がない。またチャンスがあれば、出場したい」とコメントを残した。



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