2020年のダカールラリーは、1月17日、最終第12ステージとなるハラド〜キディヤ間379kmを走行。首都リヤド近郊でニュートラルゾーンに入り、フィニッシュ前には賞典外のデモンストレーション、13kmのキディヤグランプリを走り、ここでフィニッシュポディウムに上がった。
リヤドでのスタートから、サウジアラビアを横断する7500kmの行程を経て迎えたフィニッシュ。総合首位のカルロス・サインツに10分差で最終日をスタートした前回覇者のナッサー・アル‐アティヤは、この日のステージでベストタイムを叩き出したものの、反撃はここまで。サインツは6分21秒差で逃げ切り、自身3度目となるダカール優勝を飾った。
「もちろん、本当に、本当にうれしい。コ・ドライバーのルーカス(クルス)、チームにとっても、ハッピーだ」と喜びを見せるサインツは、第3ステージで首位に立つと最後までその座を守り切った。
「初日から大変な接戦だったし、最後までプッシュしなくてはならなかった。常に100%で走らなくてはならず、楽ではなかった。これだけのタフなバトルだったので、優勝はなおさらうれしい。さらに、これでそれぞれ異なるマシンでの3勝目。心から誇りに思う」
最後の猛プッシュに挑んだアル−アティヤは「素晴らしいレースだった。面白いことがたくさんあったし、ずっと自分自身も楽しんでいた。カルロス(サインツ)やステファン(ペテランセル)との戦いは、タフだった。3人のドライバーが、勝つために全力で戦っていた。カルロスとステファンは見事だった。みんなが素晴らしいレースを繰り広げた」と互いの健闘を讃えたアル−アティヤ。この日、ステージウインをマークしたことで、ペテランセルとの差も3分半に広げて2位でフィニッシュした。
ペテランセルは、ナビゲーターとして参加を予定していたアンドレア夫人が体調崩して参加を見合わせることになり、直前でクルー変更となった混乱に触れた。
「自分にとっては、本当に奇妙なダカールとなった。直前にナビゲーターを変更して、パウロ・フィウザとラリーをスタートすることになった。上位の2人はとても速く、ナビゲーションのミスもしなかった。自分たちはできることを尽くした」
2020年ダカールラリー 最終結果
1 C.サインツ(MINIバギー) 42:59:17
2 N.アル-アティヤ(トヨタ) +6:21
3 S.ペテランセル(MINIバギー) +9:58
4 Y.アルラジ(トヨタ) +49:10
5 G.ド・ヴィリエール(トヨタ) +1:07:09
トヨタ・ランドクルーザー200で参戦しているトヨタ車体のチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、クリスチャン・ラヴィエル/ジャン・ピエール・ギャルサン組、三浦昂/ローラン・リシトロイシター組が、第11ステージを互いにサポートしながらクリア。最終第12ステージは現地時間午後4時、フィニッシュポディウムにそれぞれ総合29位、33位で、市販車部門7連覇を1−2フィニッシュで飾った。
338号車のドライバーを務めた三浦は「7連覇を達成できてほっとした。本当は自分の手で決めたかった悔しさもあるが、今回は攻める姿勢で走れた実感の強いダカールラリーになった。おかげでクルマの理解も進み、メカニックとのコミュニケーションも深まったように感じる。あらゆる意味で次につながる大会になった」と語った。
日野チームスガワラの菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組(HINO 500)も、第11ステージをトラック部門13番手でクリアして、総合順位10番手を維持したまま最終日を迎えている。