今週末に開催されるWRC第4戦ラリーアルゼンチンに向けて、開幕から3連勝を飾っているディフェンディングチャンピオン、フォルクスワーゲン・モータースポーツのセバスチャン・オジエは、今年のタイトル争いでも既に34ポイントと大差を築き始めている。直近のライバルは、チームメイトのアンドレアス・ミケルセン。一方、昨年のアルゼンチンの覇者、ヤリマティ・ラトバラは、ここ2戦を残念な結果で終えており、巻き返しを図りたいところだ。
「フォルクスワーゲンは、伝統的にアルゼンチンでモータースポーツでの成功を収めている」とチームディレクターのヨースト・カピート。
「レースのトップクラスで初めて目立った成功を収めた国なのだから、もちろんアルゼンチンでの参戦を楽しみにしている。フォルクスワーゲンにとっても鍵となるマーケットだしね」
「スポーティング面でも、大きな計画を立てている。WRCではリードに立ってアルゼンチンを迎えるし、全力を尽くして今年もアルゼンチンでの勝利を狙っていく。我がチームの3クルーすべてが勝てるポテンシャルを持っているし、アルゼンチンと相性もいい」
開幕3連勝と今季もタイトル筆頭候補のオジエだが、アルゼンチンではまだ勝利がない。
「ラリーアルゼンチンでは勝ったことがないので、もちろん初優勝を狙っていきたい」とオジエ。「南米の人は、モータースポーツが大好きだから雰囲気は最高だ。SSを走行中に、コックピットでファンが楽しむバーベキューの匂いを感じることができるのはラリーだけだ」
「僕がメキシコで勝ったことで、フランスのレベルをフィンランドと同等まで引き上げたとみんなに言われたが、これからはフランスがリードしていくことが目標だよ。メキシコと比べれば、アルゼンチンの路面はタイヤにアグレッシブではないし気温もかなり低い。通常はソフトコンパウンドを使用する。メキシコのようにハードとソフトをクロスで履くような、戦略的なアプローチは考えていない」
一方、フィンランド出身のラトバラも、ブレイクの間に気持ちを切り替え、ラリー王国出身ドライバーとして、面目を果たす勢いだ。「メキシコ以降はリラックスして過ごした」とラトバラ。「米国で2週間過ごし、ガールフレンドとカリフォルニアやネバダまでドライブ旅行をした。その後は、ラップランドで体力テストをして、アルゼンチンに備えていたんだ」
今季序盤からいつ勝ってもおかしくないと評価される活躍を見せてきたミケルセンは「アルゼンチンは、お気に入りのラリーの一つ」とコメント。「いつもいいリザルトを収めているし、ペースもいいから、ポディウムフィニッシュを期待している。去年は軽量のマシンでトラブルに見舞われてロスしたが、それでも4位に食い込んだ。長いブレイクは有意義に過ごしたから、競技に戻ることが待ち切れないよ」