WRCモンテカルロ:ヌービル「今年の僕らはビッグスマイル」イベント後記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCモンテカルロ:ヌービル「今年の僕らはビッグスマイル」イベント後記者会見

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCラリーモンテカルロのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。2019年のモンテカルロでは激戦の末にオジエに2.2秒差の2位に終わったヌービル。今年は最終日に一気に追い上げて見事な逆転優勝を果たした喜びを語った。

●WRCイベント後記者会見 出席者
1位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
1位:ニコラ・ジルスール=NG(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
2位:セバスチャン・オジエ=SO(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
2位:ジュリアン・イングラシア=JI(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
3位:エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズーレーシングWRTT)
3位:スコット・マーティン=SM(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
アンドレア・アダモ=AA(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT チーム代表)

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Q:ティエリー、この優勝はどんな意味を持つか
TN:表現するのは難しい。タフな4日間を通して常に戦いに残るのは、ハードなチャレンジだった。素晴らしいコンディションもあればサプライズもあったし、木曜日は夜のスタート。コンディションがどうなるか誰にも分からなかった。金曜日は素晴らしかったが、マシンの中では今一つだった。最終日はとてもいい走りができて勝利を決められた。最終ステージの前、優勝するのは自分たちだと感じていたし、ギャップも充分にあった。昨年は本当に残念だった。でも、2、3人で争っていれば、みんなが勝ちたいと思うし、それでも勝つのは1人、残りは悔しい思いをする。昨年はそれが僕らだったが、今年の僕らはビッグスマイルだよ。

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Q:このタイトな戦いはどれほど難しかったか
TN:実はそれ以上に難しかったのは、タイヤやコンディションにやられたことだった。自分たちも他を出し抜けた時もあった。木曜日の2本目は自分たちはとてもいい走りができたが、他のみんなは理解するのが難しかった。金曜日の午前は、最初のステージですぐに10秒以上の差をつけた。土曜日は、エルフィンが2本目で12秒以上ちぎっている。驚いたよ。自分の方が速いと、どうしてみんなはこんなに遅いのか分からない。かと思えばいきなり、ライバルが10秒取り返し、自分はそれに対応しなくてはならなくなる。自分は16秒遅れたし、ターマックラリーでは相手がミスをしない限り追い付くのはほぼ不可能な差だ。マシンに絶対の自信が必要だが、それがあれば巻き返したり、差をつけることができる。土曜日の午前は必死で巻き返した。特に午後、そして日曜日だね。最終的なリザルトには、本当に満足しているよ。

Q:最終ステージを前に自信を持つことについて話していたが、リムの小さなパーツをなくしていた…
TN:それは2本目で起きたことなんだ。リムの小さなパーツがなくなっていたが、なぜかは分からなかった。何のドラマもなかった。ソフトタイヤを3本、キープしておきたかったから、あのリムで続けると決め、それがうまくいった。とにかく自信を持てるかどうかなんだ。自分のリズムでドライブできていれば、いいタイムかどうかが分かる。エルフィンやセブよりも速く走れたし、マシンも順調だった。土曜日は、さらにパフォーマンスを出せて、首位に16秒遅れから、12秒のリードに持っていけたんだ。

Q:最後に、自分の前にモンテカルロを制したベルギー人は何人いると思う
TN:1人。
Q:いつ?
TN:かなり前だね。たぶん、40年代とか。
Q:1924年だ!

Q:ニコラ、今回は車内では誰にも負けない雰囲気だったようだが
NG:雰囲気はとてもよかった。冬休みの後にモンテカルロに来るのは、試されているよね。僕らにとって一番忙しいイベント。シーズンに入ったと目覚めさせてもらえる。本当にチャレンジングだったが、しっかり準備できていたことを証明できた。

Q:この優勝の意味は大きい
NG:そうだね、もちろんだ。18歳の時、ヒストリックラリーに出るチャンスがあった。自分に言い聞かせたよ「やろう。モンテに出られるなんて人生で最後かもしれない」。15年経った今、ラリーのメイン部門で勝ったんだ。夢の中にいるようだよ。本当に、本当にハッピーだ。

Q:セブ、自分にもトヨタにとっても素晴らしい週末だったのでは
SO:その通り、素晴らしい週末だった。これまで何度も優勝してきたから、みんながもっと上を期待していた。全体としては、今回の内容にはとても満足している。高ポイントを獲得できたし、パフォーマンスのレベルも初めてのラリーとしてはかなりよかった。一貫性はあったが、限界までプッシュするべきところで届かないセクションもあった。土曜日の3本と金曜日の昨日の最後の1本で、36秒ロスしている。こうしたセクションでは慎重になり過ぎた。モンテでポディウムの頂点に上がれないことに、全くフラストレーションが溜まらないとは言わないよ。

Toyota Gazoo Racing WRC


Q:日曜日は、なぜ調子が上がらなかったのか
SO:タイムを見ると、3人が常にトップ3にいた。この3人は、とてもいいラリーができたと思う。日曜日の午前は、グリップは悪くなかったがチュリニの頂上は、よりスリッパリーになっていた。自分のフィーリングを信じなくてはならないし、フィーリングが100%でなければプッシュもミスもしたくない。(パワーステージは)いいタイムは出ないだろうと分かっていた。最初のループでかなりロスをしていたからね。午後、グリップが少しよくなってタイムもよくなった。もちろん、明日になれば、今回は選手権としてはポジティブなラリーだったと思うようになる。ジャーナリストのみんなはデータが好きだから、僕が最後にモンテカルロで2位になったのがいつだったか覚えているだろう。その年は、自分にとってベストのシーズンだったんだよ。

Q:スタート前、このラリーで勝つことの不利について話していた。次に向けて、走行順の面ではポジティブなことなのか
SO:スウェーデンでは勝てるといいね。母なる自然が、自分たちが期待しているスウェーデンのコンディションにしてくれることを願っている。

Q:ジュリアン、ニコラはこのイベントが目覚ましのようなものだと言っているが、キミにとっても同じか
JI:シーズンが始まるのはエキサイティングなことだし、プレッシャーから解放された。前の週、僕らは日本にいた。そしてエストニアに行きテスト。そのまま、新しいマシンでの初めてのスタートに向かった。本当に安心したし、マシンを始動させた時にエンジンの回転音を聞いてハッピーだったよ。チームにもクルーにとっても、最も難しいラリーのひとつだ。トヨタはお見事だった。新しくなったチームにとって、いいスタートになったし、フィンランドにいるTGRチームも素晴らしい仕事をしてくれた。そして、マルティンとオィットのことも心配している。この先、何日かは悪夢にうなされるかもしれないが、みんながついているよ。

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Q:エルフィン、しばらくリードに立っていたが今の気分は
EE:いろいろ複雑だね。金曜日の午前はかなりいい流れで滑り出し、それからいいフィーリングをつかみ、正直、ステージウインを獲るのが楽だった。クリックするだけで、自然にそうなった。でも日曜日の午前はそれほど自然にはならなかった。そして、現実的な優勝のチャンスに影響してきた。対照的に、日曜日はティエリーがすごく強かった。全体としてはポジティブに捉えるべきだし、悪くはないスタート。ここから上げていける。

Q:新チームでの初ラリーだったが、どうだったか
EE:実戦になったらどうなるのか分からなかった、ちょっと不思議な感じだった。たくさん準備をしたし、テストもやってワークショップで時間を過ごし、レッキやシェイクダウンに向けて出来る限りの準備をしてきた。そしてオフィスにやってきたけど、どこに座るか分からない! 何もかもが少しずつ新しかったが、全てうまく行ったし自信も与えてもらった。チームからはとても助けてもらった。タイヤの作業をやっているような感じだ。しっかり準備はできたが、システムには驚いたことがあったね。

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Q:スコット、とても意味のあるポディウムだ
SM:本当に特別だ。難しいラリーだった。シーズンの始まりだし、期待も高い。この顔ぶれの中でここにいるために本当に厳しい戦いだったので、このラリーでポディウムに上がるのは特別な気分だ。必死にがんばってきたので、本当に楽しめる週末になって報われた。本当によかったよ。

Q:アンドレア、フィニッシュでは本当に感極まっていた。大きな意味を持つ勝利だ
AA:特別な意味を持つね。自分が生まれた場所は、ここからも遠くない。モンテカルロは、自分にとって常に特別な一戦だった。ラリーに近いところで自分も育った。ヘンリ・トイボネンが勝った1986年、両親に、モンテカルロを聞くために起きていてもいいかとお願いしたことを覚えている。細かいことは昔過ぎて覚えていないので申し訳ないが、全てのステージの後で、ラジオモンテカルロのライブコメントを聞いていたことを覚えている。深夜まで起きていたよ。子どものころ、チュリニのスタートにも行った。ここに来ることは自分にとって本当に特別な意味を持つ。自分の情熱の根底にあるものだし、この場にいられないことはいつでも辛い。前回は辛かった。(ヒュンダイ・モータースポーツのディレクターとして)初めてだったからね。

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Q:ティエリーとニコラのパフォーマンスについてどう思うか
AA:自分がヒュンダイのチームを率いるようになってから、トヨタとの差を詰めてくれているのはいつもティエリーとニコラだ。自分の見方としては、これは彼らには話したことはないが、カタルニア以来、彼らの自信は一つ上のステップに上がったと思う。カタルニア後のテストでも常に成長している。今回はたぶん、自分より彼らの方が落ち着いていたと思う。彼らが、僕を落ち着かせてくれたんだ。この週末は、自分の周りは浮き沈みが激しかったからね。



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