今季のWRCは第2戦として、カレンダーのなかでも独特の性格を持つ一戦、ラリースウェーデンを迎える。
シリーズ恒例のフルウインターイベントであるこのラリーだが、今年は季節外れの温暖な気候が続いたため、ルートを大幅に修正して行われる。しかし、依然としてチャレンジングなラリーであることに変わりはなく、スタッドタイヤが氷や雪に覆われた道を噛むことで高いグリップが得られ、これによりカレンダーでも屈指の高速イベントとなる。
ティエリー・ヌービルは、シーズン開幕戦のモンテカルロを制し、初めて選手権リーダーとしてスウェーデンを迎える。チームメイトであるオィット・タナックは2019年のスウェーデンウイナー。開幕戦のアクシデントからの挽回を目指す。クレイグ・ブリーンは、i20クーペWRCでの3度目の参戦。一方、この北欧イベントのエントリーリストには、トヨタ・ヤリスWRCが5台並んだ。セバスチャン・オジエ、エルフィン・エバンス、カッレ・ロバンペラのファクトリーマシンに加え、日本の勝田貴元、そして過去4勝を挙げているヤリ−マティ・ラトバラがユホ・ハンニネンとコンビを組んで登場する。Mスポーツは、フィンランドのエサペッカ・ラッピとテーム・スニネンというラインナップ。リトアニアのデイビダス・ジョシウスもフォード・フィエスタWRCでエントリーする。
ファクトリー支援を受けるR5マシンによるWRC2部門は台数が増え、スウェーデンのエース、ポンタス・ティデマンドがToksportからシュコダ・ファビアR5でエントリー。さらにPHスポールからエントリーするマッズ・オストベルグ、ヒュンダイのニコライ・グリアジンとオーレ・クリスチャン・ベイビー、Mスポーツのアドリアン・フルモーとレイ・エーツもスタートする。プライベーターによるWRC3には、さらに15台がエントリーしており、18歳のオリバー・ソルベルグやERC1ジュニアチャンピオンのフィリップ・マレスも名を連ねる。ラリースウェーデンは、今季のジュニアWRCの開幕戦となっており、この部門には16名がエントリーしている。
■ラリールート
例年どおり、ラリーのベースはトルスビー。2月13日木曜日の夜にカールスタッドでセレモニアルスタートが行われ、その後、隣接する競馬場でのスーパーSSが予定されていたが、このステージはキャンセルとなり、シェイクダウン2として行われる。その後のルートも大幅に修正され、金曜日と土曜日はまったく同じ構成となり、それぞれ4SSを走行。このループでは、国境を越えてスウェーデンでのHof-Finnskog、2012年以来の設定となるFinnskogen。そして、新設のNyckelvattnetでスウェーデン側に戻り、 トルスビーのサービスパークの西端に設定されるスプリントステージで1日を締めくくる。日曜日はLikenasを2回走行。2走目はパワーステージに指定されている。
■ラリーデータ
開催日:2020年2月13-16日
サービスパーク設置場所:トルスビー
総走行距離:815.47km
総ステージ走行距離:171.64km
総SS数:11
■開催選手権
WRC
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JWRC