スタートを前に、異例の温暖な気候が懸念されているWRCラリースウェーデン。ミシュラン・モータースポーツのWRCプログラムマネージャー、アルノー・レミが、タイヤの側から見たスウェーデンについて解説している。
「ラリースウェーデンは、WRCで唯一、ウインターコンディションをスタッドタイヤで走行する一戦だ。残念ながら、ここのところの温暖な気候により、当初予定されていたルートには氷がなく、主催者はいくつかのコースを断念した。タイヤにとっては、複雑なイベントになる可能性が高い」とレミ。
「スタッドタイヤは、氷を噛むように設計されているので、コンディションの大半が石だらけのダートになれば、タイヤへの負荷は高くなる。ドライバーたちは、各タイヤに埋め込まれた384本のスタッドに配慮しなくてはならなくなるが、我々の経験豊富な技術スタッフが現地でアドバイスを与えるために待機する」
ミシュランがラリースウェーデン向けに用意したタイヤは、WRC用がミシュランXアイス・ノース3(15/65-15)で、1本のタイヤに384本のスタッドが埋め込まれる。スタッド1本の最大の長さは2cm、重さは4g。一方、WRC2用は、ミシュランNA01(15/65-15)で、タイヤ1本当たりのスタッド数と、1本のスタッドのサイズはXアイス・ノース3と同じ。タイヤから露出するスタッドの長さは、WRC用が約6.5mmで、WRC2用は約7.5mmだという。