IRC第10戦スコットランドは、デイ1を首位で終えたアンドレアス・ミケルセン(シュコダ)が待望のIRC初優勝を飾った。
今季、再三にわたってトップ争いを繰り広げながら届かなかった勝利を、ついにミケルセンが手にした。ノルウェー出身のミケルセンは同時に、22歳のIRC最年少優勝記録をマーク。今季IRCのウイナーはこれで6人目となった。
2位はハンニネン。昨年の覇者はデイ2で3本のベストタイムを刻むも、デイ1での差を縮められずに終わった。ハンニネンのチームメイトであるヤン・コペッキー(シュコダ)は7位から5位まで挽回した。
プジョー勢では、ブライアン・ブフィエが午前中にブレーキトラブルが起きながらも3位。デイ1で3位だったティエリー・ヌービルは6位まで順位を落とした。
フォード・フィエスタS2000で唯一気を吐いた北アイルランド出身のクレイグ・ブリーンは4位だった。
なお、スコットランドのポイントには係数1.5がかかっており、1位37.5、2位27、3位22.5、4位18、5位15、6位12ポイント。IRCは全11戦中ベスト7戦分のポイントで争われるため、最終戦を控えたポイントランキングは以下のとおりとなっている。
首位 コペッキー(131)
2位 ハンニネン(125)
3位 ヌービル(115)
4位 ミケルセン(111.5)
5位 ブフィエ(110.5)
6位 フレディ・ロイクス(103)
しかも最終戦キプロスの係数は2。これにより、1位50、2位36、3位30、4位24、5位20、6位16という大量ポイントが与えられることから、6位ロイクスまでにタイトル獲得のチャンスが残されている。
一方、スバル・インプレッサR4でヨコハマタイヤのサポートを受けて出場した新井敏弘は10位で、日本人としてIRC初入賞を果たし、さらにIRCプロダクションカップでも1位となった。
デイ2でプロダクションカップをリードしたのは2010年にピレリ・スタードライバーで活躍したヤルコ・ニカラ(三菱)。しかしSS13でスピンを喫してディッチにはまりスタックしてしまう。さらにクラス2位のデイビッド・ブギー(三菱)もSS11のコーナーではみ出し左リヤホイールをヒット。これで新井がクラス首位に立ち、自身もパンクを喫してタイムをロスしながらも見事総合10位で完走を果たした。
新井とともにアドバンカラーのインプレッサR4で出場している奴田原文雄は総合15位、クラス3位。これでクラス2位のジェイソン・プリチャードとともに、スバル・インプレッサ勢がポディウムを占めた。
最終戦キプロスは12月3〜5日で開催。ラフで岩が点在するグラベルと、スムーズな路面から荒れた路面まで様々な要素を持つターマック路面を含むミックスサーフェイスの難ラリーで、混戦の今シーズンが締めくくられる。