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スバル、富士スピードウェイでWRX STIとBRZ GT300をテスト

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スバルは、2月26日(水)に富士スピードウェイで、ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するWRX STIと、SUPER GT GT300クラスに参戦するSUBARU BRZ GT300の走行テストを行った。ステアリングを握ったのは井口卓人と山内英輝のふたり。

ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するWRX STIは、前年度の車体をベースに、さらなる改良が盛り込まれている。大きなところではブレーキキャリパーの小型化・モノブロック化によるタッチの改善と軽量化、左右フェンダーのエア排出口拡大や吊り下げ式リヤウイングによる空力の改善が施された。テストではフロントのトレッド幅を狭めたものの、現在はフェンダーのみナロー仕様で、トレッド幅そのものは2019年と同様になっているという。

チームはSP3Tクラスの3連勝を目指すとしており、その課題として、予選クラスレコード(8分56秒)の更新、全スティント9ラップ走破、過去最多周回数(146周)の更新などを挙げている。

チーム体制はすでに発表されているとおり、辰己英治総監督、沢田拓也監督の指揮のもと、カルロ・ヴァンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人の4名がステアリングを握る。また、全国各地から選出された8名のスバル・ディーラーメカニックがチームを支える。

辰己総監督は「今年は“1スティント9ラップ”を確実にこなしたいと思っています。そのためには燃費の向上と、タンクの改良が必須です。実はこれまでのタンクでは容量100リットルのところ、94リットルまで入れると吹き出して止まってしまっていた。エア抜き性を良くすることで、1回で99リットルまで入るようになりました。細かく注ぎ足す必要がなくなったので、タイムロスをずいぶん減らすことができました。
フロントブレーキは、ローターをそのままに、キャリパーを小型のものにしました。モノブロックなので、こちらの方が剛性が高いんです。これで700gくらい軽量化できている。パッドも少し薄くして、レース中盤で換える前提としています。メカニックを鍛えて、途中で取り換える方が得策だと判断しました。
空気抵抗を低減するためのサメ肌塗装は、今後ルーフもマット仕様のものを投入します」とコメント。開発も順調に進んでおり、3連覇への手応えを感じさせた。車両は3月に再び国内テストを行ったのちドイツへと送られ、現地のVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)で最終調整を行ったのち、4月25日〜26日の予選レース、5月23日〜24日にかけて行われる決勝レースへと臨む。

一方、全方位的な改善が施されたSUBARU BRZ GT300は、EJ20エンジンの耐久性向上、タイヤ特性の向上とメカニカルグリップの向上、空力・制動性能の向上などを課題として掲げている。

SUPER GTの布陣は前年同様。渋谷真総監督のもと、井口卓人/山内英輝のコンビを継続する。オペレーションはこれまで同様R&D SPORTが行っていく。

チームを率いる渋谷総監督は「もともと水平対向エンジンの美点である低重心・慣性モーメントの小ささを引き出すべく、パワーユニットとトランスミッションの搭載位置を下げました。各部の軽量化を施しながら重量配分の最適化を目指しました。加えて、ホース類やパイプ類をできるだけ軽いものにしています。もちろんこれまでもやってきましたが、それを徹底的にやりました。それで低く、軽く、なおかつ重量配分を後ろに、というのをテーマに取り組んできました。
空力的な面では、床下関連が主なところですね。フロントのカナードまわりはコースによって変えていきます。タイヤはこれまで無交換作戦などを採ってきましたが、今年はグリップ重視のタイヤにしていこうと思っています。コース上でタイム差を詰める方向ですね。タイヤ交換でタイムを削るのではなく、ラップタイムで削っていくやり方に変えていこうと考えています。
鈴鹿のテストは良かったですし、ノートラブルで走ることができました。いい流れを開幕戦本番に向けてつなげていきたいと思っています」と語り、SUBARU BRZ GT300の進化に手応えを感じた様子だ。開幕戦は4月11日〜12日の岡山国際サーキット。



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