WRCメキシコで出火のラッピ「アクシデントのたびにひとつ賢くなれる」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCメキシコで出火のラッピ「アクシデントのたびにひとつ賢くなれる」

©Jaanus Ree/Red Bull Content Pool

WRC.comは、WRC第3戦メキシコでフォード・フィエスタWRCが不意の出火に襲われリタイアに追い込まれたエサペッカ・ラッピへのインタビューを公開した。昨年シトロエンでともに過ごしたWRC6連覇王者セバスチャン・オジエや、母国出身の若手、カッレ・ロバンペラの存在についても問いかけている。

ラッピは現在29歳。WRC戦の開催延期が相次ぎ、活動が停滞している今、このメキシコを振り返った。

Damien Rosso / Red Bull Content Pool

メキシコでの出火を振り返り、今はどんな気分か
「ラリーの後から、気分はそれほど変わっていないよ。いずれにしても、ちょっとパニックになった。あの一件の後、振り返ってみれば、アクシデントに遭遇するたびに自分はひとつ賢くなれるし、周りの人からマシンを離してできる限り早く止めた方がよかったと学んだとも言える。オイルをまき散らすのを止めようってね。後から言うのは簡単だ。ヤンネ(フェルム、コ・ドライバー)は無事。ドラマはなかった。僕らは無傷だった。深刻な事件だったが、ショックは受けていないよ」

オィット・タナックとマルティン・ヤルベオヤがモンテカルロで大クラッシュを起こした後、他のドライバーたちはどのように感じていたか
「マシンに飛び乗ったら常にリスクと隣り合わせだということは、僕らはいつも承知している。彼らが6速でクラッシュして、例えば、すぐに止まったら、大怪我をしていることを意味するのだということを理解していなくてはならない。でも、マシンが走り続けていたら、通常であれば、そう悪いことにはなっていないということだ。こういうことに対して怖さを感じるようになったら、キャリアを止める時だ。年々スピードは上がっているが、ありがたいことに安全性も高くなっている」

ラリーを始めてもう10年経つが、ラリー界で最も大きな変化は何か
「自分がサーキットレースで好きになれなかったことは、お互いが常に戦い合い、他のドライバーに自分のレースを台無しにされてしまうことがよくあるという点だ。ラリーではそんなことは起こらないし、そんなところが自分は好きなんだ。自分が気にすることは自分とコ・ドライバー、時計とマシンだ。自分次第でしかないということ。サーキットでは、多額の予算を投じているのに、決勝で誰かに自分のレースを台無しにされたら、投資はすべて水の泡。いい気分にはなれない。ラリーのパドックやサービスパークのフィーリングや雰囲気が、自分は本当に好きなんだ。サーキットレースでは、ドライバー同士が戦い、おまけに両親たちもお互いに戦っている。ラリーでは、みんなもっとフレンドリーだからね!」

昨シーズン、6連覇王者と同じチームにいたことで、どんなことを得られたか
「この3年間、たくさんのトップドライバーたちと一緒に仕事をすることができて、自分はラッキーだった。一番が、昨年のセブだった。一番大きな違いは、彼が詳細にいたるまでどれほどこだわっているかという点。マシンのセッティングに限らず、ドライビングの外で起きているすべてのことにだ。クルー、インフォメーション、タイヤチョイス。自分にとってもいい情報だったし、それまでにないような知識だった。セブが今シーズンも走ることになって、自分は驚いたよ。彼はやめるんじゃないかと思っていたからね。彼がラリーをやめた後、Extreme E以外に何をしたいと思っているのかは分からない。でも何かしら、ドライブを続けることは間違いないね」

将来、ダカールラリーやラリーレイドのようなことをやることは考えているか
「今のところ、そうなるような予感はしないね。自分にとっては、家族と離れすぎるカテゴリーだ。1カ月も離れるなんて、自分には長すぎると感じてしまう」

2017年のラリーフィンランドで、自身初のWRCポディウムを初優勝でマークしたことは、どれほどクールな出来事だったか
「ラリーをやってきた中で、一番クールなことだった。将来、また勝てるのか、分からない。勝てたらいいなとは思っているけどね。あの時のようなフィーリングを感じられるのか、タイトルを獲れるのか、まだ信じられない。みんなに勝つのは、大変なことなんだからね。あの時はWRカーで初めてラリーフィンランドに出たので、すべてがあっという間にすぎていった。だから、すでに夢が叶ったようなものだった。いつかそうなればいいなとは心から思っていたけど、初めての挑戦でそれが叶うなんてクレイジーだったよ。本当に最高の気分だったし、言葉で表現するのは難しいね。自分がラリードライバーで、何かとても大切なイベントで勝つことがあれば、同じ気持ちになれる。政府からも手紙が届いたよ。本当に特別なことだった」

同じくフィンランドの若手、カッレ・ロバンペラについてはどう思うか。WRC2からステップアップして、ここまでのところはどうか
「彼が本当に素晴らしいということがハッキリ分かってから、もう1、2年は経っている。モンテではとても賢明なラリー運びができていたし、経験のあるメキシコでも見事だった。スウェーデンのコンディションを彼は知っていた。本格的なウインターラリーではなかったが、彼はあそこが得意だったし、ポディウムにふさわしい走りをしていた。近いうちに、タイトル争いに絡んでくると思うよ」

ユーモアのセンスがあることで有名だが、プレッシャーの大きいスポーツをする上ではどれだけ重要か
「楽しみがなければ、心からエンジョイできないよ。少なくとも自分はできない。自分のユーモアは時々ちょっとブラックだし、それを受け入れられない人もいるが、それも良さのひとつ。そうした部分があることもとても重要だし、そうでなければシリアスになりすぎてしまう。ある程度は楽しむことも必要だ」



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