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全日本ラリー第6戦洞爺で柳澤宏至が総合2位

 

 全日本ラリー選手権第6戦「ARK Rally洞爺」は9月2〜4日、北海道虻田郡洞爺湖周辺で開催され、オールグラベル(未舗装路)の計15本・114.78kmと、選手権では比較的長い距離のステージが設定された。
 CUSCO RACINGからは、柳澤宏至/中原祥雅組がCUSCO ADVAN EVO. Xで今季4回目の参戦。また、FIAアジア・パシフィックラリー選手権(APRC)でアジアカップに挑んでいる炭山裕矢/加勢直毅組も9月末に開催されるAPRCと全日本選手権の併催イベント、「ラリー北海道」に向けてのテスト参戦に臨んだ。さらに牟田周平/星野元組は、プロトンサトリアネオで4回目の国内戦実戦に挑んだ。

 大型台風が近畿地方に滞留した関係で、北海道も不安定な天気に見舞われたラリーウィーク。路面をウェットが覆うほか、ステージをリピート使用する競技2日目は、グラベルが掘れてグレーチングがむき出しになるなど、極めてトリッキーなコンディションとなった。さらに走行距離が長いことも重なり、リタイア車両が続出、エントリーリストに連ねた計47台中、完走は27台というサバイバル戦となった。ラリーは初日にイベント最長の19.37kmステージを含む10SSを走行した後、デイ2にはさらに5SSが設定された。
 北海道のステージを得意としている柳澤は、初日に3本のベストタイムをマーク。この日を首位に24.9秒差の2位で折り返した。一方の炭山は、3月にマレーシアで開催されたAPRC開幕戦以来の参戦。マシンセッティングも、走行距離の長いAPRCイベントに焦点を充てているため、このラリーでの目的は、実戦での腕慣らしとセッティングテストに絞っていた。それでも炭山は4番手タイムもマークする安定したパフォーマンスで、この日のうちに10位から5位にまでポジションを上げた。

 デイ2はさらにコンディションが荒れて、パンクの懸念も一層深刻化。形勢を睨みつつ、どこまでプッシュするかというバランス取りには、非常に難しい判断を迫られた。2位柳澤の0.9秒差には、全日本タイトルを何度も経験しているベテランの奴田原文雄が迫ってきている。しかし、1回のパンクがどれほど大きな犠牲につながるかを考慮し、柳澤はギリギリのところでパンクをいたわる絶妙なドライビングで走行。
 ハードプッシュで勝負に出た奴田原にはこの日2本目のSS11でかわされるが、その奴田原は続くSS13で痛恨のパンクを喫し3位に後退。狙っていた首位奪取にこそ届かなかったものの、柳澤は今季自己ベストとなる2位でのフィニッシュを決めた。炭山もこの日はサードベストをマークするなど安定感を保って6位でのフィニッシュを果たし、APRCの次戦に向けて幸先のいい滑り出しとなった。

 柳澤選手、炭山選手、牟田選手の次回の参戦は、APRC第5戦及び全日本ラリー選手権第7戦「ラリー北海道」(北海道帯広市周辺、9月30日-10月2日開催)の予定。



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