トヨタ・ガズーレーシングWRTのテクニカルディレクター、トム・ファウラーは、10代ながらワークスドライバーを務めるカッレ・ロバンペラの実力を、想像していたよりも10年先のレベルだと実感していることをwrc.comに語った。
19歳のロバンペラはWRCデビューシーズンの今季、ラリースウェーデンで3位に入っているほか、開幕戦のラリーモンテカルロ、第3戦のメキシコでも5位にまとめ、スタンディングスでは現在、4番手につけている。
ファウラーは、ワークススペックのヤリスWRCで参戦したこの3戦が、ロバンペラのドライバーとしての能力を大いに示していると語る。
「今季はここまですべてのテストに帯同しているが、彼のアプローチ、特にメキシコ向けのテストでの内容には、心底感心した」とファウラー。
「彼のフィードバックは、10年経験を積んでいるドライバーから出てくるようなもの。テストでの彼の評価は、文句なしに的確なレベルだ。マシンにも慣れてきたし、ラリーを最後までドライブできるだけの余裕が持てるようになってきた」
もちろん、テストと実戦でのパフォーマンスのレベルに違いはあるが、計画の立て方はいたって賢明。セットアップを比較すれば「こちらは一番速く走れる感じはするが、常に100%余裕を持っては走れない、だからこの状況では安全な選択肢を選びたい」と語る。
「エンジニアとのブリーフィングでは、カッレがドライブしやすくリスクを負わないようにすることに重点を置いていた。マシンのセッティングは必ず安全な方を選ぼうと話していた。そうすれば、彼はステージ毎にどのセッティングがいいかが明確に分かるので、厄介な状況になることはない」
「こうすることでカッレは、方向性をハッキリさせたままキープすることができる。こうしたことは我々の仕事だと思っていたが、彼はテストに来た時点で既にその仕事をやってきている。明らかに彼の武器であるし、デビューシーズンも特別なものになっている。彼がどこまで伸びていくのか、本当に楽しみだよ」