2020年のWRCスケジュールで次に開催が予定されていたラリーフィンランド(8月6‐9日)は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により開催を見送ることを決定した。2020年は1951年の初開催以来70回目の記念大会となる予定だったが、大会史上初のキャンセルとなってしまった。
フィンランド国内や国際的な状況は回復しつつあるが、2カ月後に迫ったイベントを運営するにあたり、健康や安全のリスク面で懸念する要素が多すぎるほど残っている、と主催者のAKKスポーツは6月3日に発表した声明の中で語っている。
「COVID-19の状況が未知数であるとともに、その他にもこの決定に影響した大きな不確定要素がある。
たとえば、現在のフィンランド国内でのイベント開催の制限が7月以降、解除になるのかに関しての情報が少ない、国外からの参加者、チーム、観客が安全にフィンランドに来ることができるのか、などだ」と声明では伝えている。
主催者は、今年後半に開催を延期する選択肢についても検討したが、上記の懸念を踏まえ今回の決断に至ったという。
イベントプロモーターのヤニ・ベックマンは、キャンセルの可能性も頭に残しながら準備を進めてきた部分もあると語る。
「今年の開催をキャンセルすることで、イベントに関わるすべての人や、社会全体に対しての責任を見せたかった。健康と安全でいることは、どんな時でも最優先事項だ」とベックマン。
「我々は胸を張って、2021年の開催に向かっていく。この時こそ、記念すべき70回目の開催を最高の環境で、スペクテイター、コンペティター、そして長期にわたるパートナー、新しいパートナーたちと素晴らしいスピリットを共有しながら運営することができる」
ラリーフィンランドの競技委員長、カイ・タルキアイネンは「昨年の秋からイベント開催に向けて、プロの運営チームとともに取り組んできてくれたすべてのボランティアにも感謝したい。我々はこれを乗り越えて、来年また戻ってくる」と付け加えている。
なお、AKKスポーツは、2021年のWRC開催についてWRCプロモーターとの合意を得ている。2021年のWRCカレンダーは今後、確定されるという。